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2020年6月8日(月)

「選手の抗議への沈黙は誤りだった」

人種差別への態度 NFLトップ謝罪

国歌斉唱時の膝つき行動勝利

 【ワシントン=遠藤誠二】米ナショナル・フットボールリーグ(NFL)は5日、コミッショナーのロジャー・グッデル氏が、人種差別に抗議してきた選手たちの行動を支持してこなかったことを公に謝罪しました。元サンフランシスコ49ersのコリン・キャパニック選手ら、国歌斉唱時に膝をついて抗議の意思を示してきた選手たちの勝利です。また問題を前向きに解決する機会となります。


大統領は持論固執

 ミネソタ州ミネアポリスで5月末に起きた警官による黒人男性ジョージ・フロイド氏の殺害事件を受けて抗議行動が続くなか、グッデル氏はNFLのホームページやツイッターに映像を投稿。「私たちNFLは、人種差別と黒人に対する組織的な抑圧を強く非難します」と発言し、「これまで平和的に抗議してきたわれわれの選手に沈黙していたのは誤りだった」「選手たちの言葉に耳を傾けなかったことは間違いだった」と謝罪しました。

 さらに「すべての選手が抗議の声をあげ、平和的に抗議することを賛同します」「個人的に、あなたたちとともに抗議し、この国での必要な改革を求める一員になります」とも述べました。

 ミネアポリスでの事件を受け、一部NFL選手は、NFLとして事件に抗議することを求めていました。

 キャパニック選手は2016年8月、一向に止まない人種差別と黒人への暴力に抗議して、試合前の国歌斉唱時に片膝を地面につくことで抗議を続け、他の多くの選手も同調しました。NFL側は18年、国歌斉唱時に膝をつく行為を処罰の対象としました。キャパニック選手は49ersと自由契約後、どのチームとも契約していません。

 フロイド氏は警官の膝で首を圧迫され亡くなったため、片膝をつくことは現在、人種差別と黒人抑圧に抗議する象徴的なポーズになっています。

 今後、この件でのNFLの具体的な対応や、新シーズンの試合で各選手らのとる行動が注視されます。キャパニック選手らを批判してきたトランプ大統領は、今回の件を受けても「抗議の方法は他にもある。偉大な国旗の前で膝をつくな」と述べています。


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