2020年5月30日(土)
社会福祉法等改定案参院審議入り
倉林氏が批判 公的責任丸投げ
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「地域共生社会」の実現をうたい、地域福祉の担い手を住民や社会福祉事業者による「互助」に委ねる社会福祉法等改定案が29日の参院本会議で審議入りしました。日本共産党の倉林明子議員が質疑し、社会福祉への公的責任を“丸投げ”するものだと批判しました。
倉林氏は、「『地域共生社会』において、国と自治体はどのような責任を果たすのか。丸投げなどあってはならない」と指摘。80代の親が50代のひきこもりの子を支える「8050問題」や、介護と育児を同時に抱える「ダブルケア」など政府が挙げる課題に対応するには、「住民の助け合い任せでなく、各制度とそれを担う行政職員を質量ともに充実させ、的確な連携を強化することが不可欠だ」と強調しました。
加藤勝信厚労相は、自治体や国の責務について、互助の「体制整備」を挙げるだけで、社会福祉そのものへの公的責任には触れませんでした。
倉林氏は、介護、障害福祉、子ども、生活困窮に係る事業を一本化する「包括的支援体制」について、「交付金まで一括化され、必要な額が確保できなくなるとの懸念の声がある。財政措置、人員配置基準、資格要件を明確にするべきだ」と主張。社会福祉法人の大規模化・効率化を促す「社会福祉連携推進法人」制度をめぐっては、「全体の9割を占める小規模法人の合併・事業譲渡への地ならしだ。小規模法人の存続の危機を招きかねない」と指摘しました。