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2020年5月29日(金)

きょうの潮流

 本紙「読者の文芸」欄には、2月末からコロナ禍を題材にした短歌や俳句、川柳の投稿が増えています▼3密は駄目と知りつつも、同じ空間で顔を合わせ、言葉を交わし、つながりを体感することが、人間にとっていかに大切かを思い知る「近づくこと近づかれること話すこと忌避する社会の何とおぞまし」(東京都・金丸和彦)▼春の訪れがうれしい桜の季節に、介護施設にいる母に会いに行けない切なさを詠んだ「お母さん今日笑いましたか桜咲く」(大阪市・口野麗子)、外出自粛で巣ごもり生活を余儀なくされている自分を、虫とつなげて笑い飛ばす「啓蟄(けいちつ)の虫の気持ちがいま分かる」(横浜市・小川仙太郎)▼無策な安倍政権への批判も。「あした食ふ米の心配分かりたる首相であつて欲しいと願ふ」(仙台市・髙橋敏)、「窮状が目にも耳にも届かない」(鹿児島県・清水進子)、「ストレスは政治のウソに新コロナ」(神奈川県・桑山俊昭)▼川柳の選者・新家完司さんは「今は投句の7割がコロナ関連」と言います。「不安や閉塞(へいそく)感が広がるこんな時こそ、自分自身と社会を見つめて五七五にまとめてみると、心に余裕も生まれます。紙面で共感できるいい川柳に出合えれば、嫌なこともあるけど人生はいいものだと思えてくるのではないでしょうか」▼政治の場で言葉がもてあそばれ空虚な記号にされています。生活に根ざした血の通った言葉を取り戻したい。自分も人も励ます言葉。「コロナ禍に負けぬ力を川柳で」(堺市・大和峯二)


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