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2020年5月24日(日)

普天間米軍 園の上 編隊飛行

部品落下の保育園「ショック」

実弾で射撃訓練へ

沖縄

 米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)所属のCH53E大型ヘリコプター5機が、同市野嵩の緑ケ丘保育園の真上を編隊飛行し、その先の入砂島射爆撃場水域で実弾射撃訓練をしていたことが分かりました。同園には2017年12月7日、同型ヘリから機体の部品が落下。宜野湾市議会は原因究明まで園上空の飛行停止を求める決議を全会一致で可決しています。

 編隊飛行は8日午後4時すぎ。園庭には園児を迎える保護者らが集まっていました。年長の娘を迎えに来ていた女性(47)は「強い振動に心臓がバクバクした。園の上を飛ばないでと言っているのに低空で編隊飛行なんてショックだった。証拠にと携帯で写した」と、振りかえります。

 本紙は、5機編隊が同日、本島西方の入砂島射爆撃場水域で実施した米軍の訓練記録動画を確認。動画によると普天間基地を離陸後、向かった入砂島射爆撃場を旋回しながら、ヘリ後部に据えられた重機関銃から地上の“標的”に向けて、実弾を連射する戦闘訓練をしていました。射撃後、ガッツポーズする海兵隊員の姿もあります。

 園と保護者でつくる「チーム緑ケ丘1207」の宮城智子会長は動画を見て、「映像は衝撃的すぎる。米軍を“良き隣人”と呼ぶが、その日常生活の本質は、戦争で人を殺す訓練の日々。米軍は保育園の真上を飛ぶこと、部品落下をなんとも思っていない」と悔しさをにじませました。

 低空の編隊飛行を礼拝堂から目撃した神谷武宏園長は、「子どもの命を軽視している」とした上で、こう力を込めました。

 「園児の命を守りたいと願う園上空の飛行禁止を求める市議会決議を無視して、戦争のための訓練を優先する米軍と、それを容認する日本政府の姿勢を全国に伝えて、必ず飛行禁止を実現したい」

 (山本眞直)


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