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2020年5月24日(日)

きょうの潮流

 「学校ってなんだ」。こう繰り返す詩を書いて担任に渡した子どもがいました▼新型コロナウイルスによる一律休校。「怖い」「私にもうつるの?」。胸が押しつぶされそうになりながらも、日々を必死に生きるおとなを前に、不安をおしこめてしまった子どもたち。この数カ月を「なかったこと」にして、前に進むことはできません▼緊急事態宣言の解除が徐々に進み、学校再開も広がる今だからこそ、子どもの思いから出発しよう。そんな教員のとりくみも始まっています。「休校中に何か自分が困ったことや心配なことは?」「コロナのことで思ったことや知りたいことは? あなたは何を知ってる?」。不確実な情報にも振り回されたおとな自身にとっても、大切な学びです▼一方で「なかったこと」にして、思い切りエンジンをかけようとする動きもあります。こま切れの方針が続き、その対応に疲弊する教職員。学校現場も教育委員会もとびこして先走る首長が、よりよい環境をと奔走する現場にさらなる混乱をもたらす。「せめて現場の声をくんでほしい」と悲鳴があがっています▼学びの保障は欠かせません。でも、この瞬間に命あることを、まずは喜び合いたい。そして感染予防と、成長や発達を豊かに保障する生活とを、すり合わせていきたい。知恵を出し、試行錯誤を重ねながら、子どもとともに歩みを進める学校が求められています▼いまだかつてない事態だからこそ、いまだかつてないとりくみを。そのためには、人もお金も手間も惜しまずに。


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