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2020年5月19日(火)

きょうの潮流

 「風当たりは強いが開いていれば来てしまう」。開店前からパチンコ店に並ぶ男性が漏らしていました。休業要請にも営業を続ける店内はまさに「3密」状態。しかし訪れる人は絶えません▼感染の恐れが分かっていてもやめられない。ギャンブル依存症の深刻さがあらわになっています。衝動を抑えきれない症状にくわえ、抑うつや不安のときに足を向ける人は多いといいます▼最近の支援団体の調べでも明らかです。依存症の治療を受ける前に今の状況になっていたら、ギャンブルで不安を取り去ろうとしていた。治療中のおよそ7割がそう答えています。より3密な違法賭博店に通う姿も▼職を失い、家族を失い、借金を重ね、底なし地獄に落ちていくギャンブル依存。自身や周りを危険にさらしてまでのめり込む人たちに手を差し伸べ、対策をとることが国の役割のはず。ところが、政府はIR(統合型リゾート)カジノの導入に血眼です▼コロナ拡大のなか、いま世界中でカジノの閉鎖がひろがっています。客を大量に集め、カジノに誘導し、巨額の収益をあげるというIRのビジネスモデルは終えんを迎えている―。国際金融論が専門の鳥畑与一・静岡大教授が本紙で語っていました▼先日、世界最大の米カジノ企業が日本進出を断念すると表明。衰退する海外のカジノ企業に地域社会の運命を委ねるような愚行はすべきではない、と鳥畑さん。人の不幸のうえに成り立つギャンブル。それに依存する国に国民の命とくらしは守れません。


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