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2020年5月17日(日)

週明け、採決させぬ

検察庁法改定案 世論が与党追い込む

各紙社説も批判

 検察の私物化を狙う検察庁法改定案をめぐり、世論と運動の急速な盛り上がりが安倍政権と与党を追い詰めています。政権与党は15日までの衆院内閣委員会の採決を見送り審議は週明けに持ち越されました。


 「1週間前の金曜日、こんな事態を誰が想像できたでしょう。こんなに短期間に反対の世論が広がり、検察OBまで声をあげ、自民党の中からもこんなこと許していいのかという声がでた。日本の民主主義の底力が試された1週間だ。こういう世論があるからこそ、与党も採決に踏み切れないところまで持ち込んだ」

 日本共産党の小池晃書記局長は15日夕方に緊急出演したインターネット番組でこう強調しました。同日、衆院内閣委員会で質問に立った国民民主党の後藤祐一議員も同番組で、「“3密”を避けて委員室の窓があけ放たれていたので、国会の周りのデモの声がよく聞こえた。そういう声を背負ってやっている」と語りました。同日、国会周辺では終日、市民の抗議が続きました。

 8日に与党が法案の審議入りを強行すると、これに抗議する「#検察庁法改正案に抗議します」のツイッターデモが始まりました。多数の市民の賛同に加え、俳優、歌手、タレントも賛同コメントを寄せる中、10日には470万人が反応。社会に衝撃が走りました。15日の内閣委員会までにリツイートは1000万を超えています。

 世論の広がりを受けて日本共産党、立憲民主党、国民民主党、社民党の野党4党の党首は10日、ツイッターに同法案に反対する動画メッセージを投稿。インターネット上での野党党首、国会対策委員長の記者会見も連続して開き、世論と連帯しました。緊急の野党党首会談も開かれ、三権分立を破壊する法案は容認できないとの立場で一致しました。

 全国に52ある単位弁護士会の約9割に当たる46弁護士会の会長が同法案に反対する声明を発出(15日現在)。さらに元検事総長の松尾邦弘氏をはじめ検察OB14人が同法案に反対する意見書を森雅子法相あてに提出(15日)するという異例の事態に発展し、16日付各紙も「やはり撤回しかない」「疑念は何も解消されない」「法が終わり、暴政が…」「拙速な改正は禍根残す」などの見出しで厳しい批判の社説を掲げました。

 自民党内からも次々と批判と疑問の声が上がり、法案に賛成の公明党の山口那津男代表が「説明責任を果たしてもらいたい」(12日)と投稿すると、「他人ごとのようだ」など批判が殺到しています。

 13日の衆院内閣委員会で武田良太国家公務員制度担当相は「本来なら法務省が答える」と無責任答弁。15日には森法相が出席を余儀なくされましたが、恣意(しい)的運用を防ぐ基準を問われても「今はない」と破綻を露呈しました。


検察庁法改定案 国会内外の動き

8日

 ▼与党が野党の合意がないまま、検察庁法改定案の審議入りを強行

 ▼都道府県の35弁護士会が同改定案に反対する声明を発表(4月からの累計)

 ▼「法の支配の危機を憂う弁護士の会」の改定案に反対するアピールへの呼びかけ人・賛同者となった弁護士が1500人を超えたと発表

10日

 ▼「#検察庁法改正案に抗議します」のツイートが400万件を超える

 ▼野党4党首がツイッターに改定案に反対する動画を投稿

11日

 ▼日本弁護士連合会が記者会見で、改めて改定案に反対を表明

12日

 ▼有志の映像グループ「チューズ・ライフ・プロジェクト」が改定案についての緊急記者会見で各野党が意見表明

13日

 ▼野党が緊急の党首会談を開催。新型コロナウイルスの収束に全力をあげるべきときに、三権分立を損なう検察庁法改悪は容認できないと一致

 ▼衆院内閣委員会で野党の質疑始まる

15日

 ▼衆院内閣委員会に森法相が出席

 ▼元検事総長ら検察OB14人が改定案に反対の意見書を提出


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