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2020年5月16日(土)

コロナ“冬に再拡大”

米下院公聴会で専門家

トランプ政権の対応批判

 【ワシントン=遠藤誠二】トランプ米大統領の新型コロナウイルス対策に異を唱えて解任されたと主張する厚生省生物医学先端研究開発局(BARDA)のブライト前局長が14日、下院公聴会で証言し政権の対応を批判しました。断固とした対策をとらない限り、今年冬により深刻な感染拡大を招くと警告しました。

「明確な計画と実行を段階的に」

 ワクチン専門家のブライト博士は、トランプ大統領が治療薬として推挙した抗マラリア薬「ヒドロキシクロロキン」の効果に疑問を呈し、先月、解任されたといいます。ヒドロキシクロロキンは米食品医薬品局(FDA)が、新型コロナの治療には危険性が高いと発表しています。

 ブライト氏は公聴会で、新型コロナへのワクチン計画がないことは「深く憂慮されるべき問題だ」と表明。科学に基づく国家規模の協調的対応を展開しない限り、「パンデミックがはるかに悪化し長期的なものとなり、かつてない病気と死者を出す」と警鐘を鳴らしました。

 秋以降、感染が再び拡大するのは「否定しがたい事実だ。インフルエンザの脅威とあいまって医療体制に空前の負担を与える」と指摘。専門家が示す「明確な計画とその実行を段階的に行うことなしに、近代史上で最も暗い冬になる」と断言しました。

 ブライト氏は、「権限を持った指導力が必要であり、科学者の意見が反映されなければならない」と強調し、指導力も計画性もないトランプ政権の対策を批判。またマスクなどの防護具不足は初動の遅れが原因であり、「前線の医療従事者の命を危険にさらした」と訴えました。


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