2020年5月15日(金)
緊急事態宣言解除 議運委で質疑
衆参両院の議院運営委員会は14日、政府が新型コロナウイルス感染拡大に対する「緊急事態宣言」を39県について解除するにあたり、西村康稔経済再生担当相から事前報告を受けました。各党議員が質疑し、日本共産党の塩川鉄也衆院議員、山添拓参院議員が質問しました。
医療体制確保が重要
衆院 塩川氏、可視化・強化を要求
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塩川氏は「『宣言』解除の判断にあたり、医療体制の確保が極めて重要だ」と指摘。東京都を例に、厚生労働省ホームページで、入院患者受け入れ確保病床数2000(1日時点)に対し、入院患者数は1832(4月28日時点)となっていると指摘。西村担当相は、東京都に確認したところ、現在約3300床確保し、入院患者は1320人に減っていると答弁しました。
塩川氏は、厚労省の公表データが古いとして「数字をリアルタイムで反映するべきだ」と求めました。西村氏は「新しい情報を的確に国民に示すことが大事だ。できるだけ早く情報提供したい」と答えました。
塩川氏は、東京都の想定病床数「4000」について、「医療スタッフ、器材、防護具がそろっていて直ちに入院可能な状況ということか」と質問。西村氏は「直ちに入院可能なものではないが、医療スタッフや器材も含めて大学病院や公立・公的病院の了解を得ているものだ」と説明しました。
塩川氏は「確保数と想定数の違いが分からない」と述べ、厚労省の公表資料では医療体制の逼迫(ひっぱく)度が分かりづらいと批判しました。PCR検査についても「解除の大前提として抜本的に増やし、感染の全体像を把握する必要がある」と強調し、体制の整備・強化を改めて求めました。
検査体制拡充、より必要
参院 山添氏、感染把握で強調
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山添氏は、緊急事態宣言が解除される39県も再び感染拡大すれば再指定される場合が考えられ、感染の広がりを正確に把握するには広範な検査が必要だと指摘。「解除される39県では迅速にPCR検査ができる体制になっているのか」とただしました。
西村担当相は解除される県は「陽性率も十分に低い。(広く)検査も行われていると判断している」と語っただけで、検査体制が確保されていると答弁できませんでした。山添氏は「1日あたりの検査数が伸びていないのが現実だ。解除される地域を含め検査体制の拡充がいよいよ重要だ」と強調しました。
山添氏はまた、政府が感染拡大予防のために「新しい生活様式への移行」を求めていることについて、「国民に新しい生活様式を求めるのなら政治は新しく何をするのかを示すべきだ」と主張しました。
政府が「オフィスはひろびろと」「(交通機関は)混んでいる時間帯は避けて」などの実践例を示していることについて、山添氏は「多くの人はオフィスも広くなく無理だと感じる人も多い」と指摘。「新しい生活様式を可能とする制度的・財政的支援が必要だ」と述べました。