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2020年5月13日(水)

コロナ禍 医療従事者に国は危険手当を

感染怖い 帰宅せず車中泊も

職場の環境改善 行政に要求

 新型コロナウイルスに感染した患者の治療にあたる医療従事者は、自身が感染したり、院内感染を広げたりしかねない不安や恐怖心を抱えています。そんななか、医療従事者に「危険手当」の支給を国に求める声が高まっています。(染矢ゆう子)


 九州地方のある公立病院では看護師が1週間おきに、新型コロナ患者の入院する隔離病棟と一般病棟を交代していました。

 隔離病棟の入院患者は当初2人だけの予定でしたが、最大5人に増えました。

 隔離病棟で働いたある看護師は一番の心配について「自分がもしコロナを保有していて、ほかの患者や看護師にうつしてしまわないかということだった」といいます。

 この病院の「危険手当」はゼロ。この看護師は訴えます。「同世代の公務員事務職に比べ10万円も手取りが低い。夜勤もしているのに納得できません。医療従事者に危険手当を出すなど、賃金の底上げが必要です」

 危険手当を求める声は各地で広がっています。大阪府関係職員労働組合はコロナ病棟勤務の医師、看護師、技師、看護助手に対し、これまで1日360円だった特殊勤務手当の大幅増額を要求。大阪府は日額3000円の支給を4月1日にさかのぼって実施すると回答しました。

 ほかの県でも寄付をもとに医療従事者に「危険手当」を出すなどの動きが出ています。

 日本看護協会は4月、国に対し、新型コロナウイルスに感染した患者や感染した疑いのある患者に対応した看護職個人に危険手当を支給するよう要望しました。

 同協会は「完全防護による対応のため、休憩や同僚とのコミュニケーションも制限され、精神的に、さらにつらい状況におかれています」として、こう訴えます。「自らの感染や家族への感染の不安から、帰宅後もなるべく家族と接触しないようにしたり、帰宅せずホテルや車中泊で対応したりしている看護師もいます。次の勤務まで十分な休息が取れる勤務体制の整備、宿泊費の補助、危険手当の支給など職場環境の改善が必要です」


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