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2020年5月11日(月)

きょうの潮流

 不意に変わってしまった日常。戸惑いやもどかしさのなか、当たり前だったことができず、ふさぎ込んでいく日々。そんな人たちを励ますメッセージが込められていました▼「言葉に表せないくらいうれしい」。東京オリンピックで活躍が期待されていた競泳の池江璃花子さん。血液のがんといわれる白血病で闘病中ですが、昨年末に退院。3月には406日ぶりにプールに入り、あふれる喜びを語っていました▼水中出産で生まれ、3歳からプールに通う毎日。前回リオ五輪のときには日本の競泳史上最多となる7種目に出場。現在も数多くの日本記録をもつトップスイマーは、昨年2月の突然の宣告によって積み上げてきたものを失いました▼生きていることさえしんどいと落ち込んだ過酷な闘病生活、泳ぐことの意味、そして24年パリ五輪をめざし一からとりくむ姿。9日のNHKスペシャルは、この間の彼女に密着し心境の変化を映しました▼以前は速く泳ぐことだけを考えてきたが、いまは苦しんでいる人たちに勇気を与えたいとの使命感みたいなものがわいていること。過去を振り返らず自分の成長を楽しむこと。限界までチャレンジしたいという力強さも戻ってきました。視聴者からは「自分も現状に負けずにがんばりたい」と共感の声が続々と▼困難をのりこえ当たり前のことに幸せを感じながら、前を向く池江さん。どん底まで落ちた人間がここまで上がってきた姿を見てもらいたいという19歳から、生きる希望が伝わってきます。


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