2020年5月1日(金)
きょうの潮流
若葉がもえる季節。東京・上野の公園にひしめき合った大勢は、空高く大のぼりをたて、熱気のなかで万丈の気を吐きました▼8時間労働制の実施、失業防止、最低賃金法の制定―。次つぎにスローガンを掲げ、大会は宣言しました。「ここに日本最初の労働祭を挙行す…吾人は今日、世界万国の労働者とともに、労働者階級の解放と万人の自由とを絶叫す」▼1920年5月2日の日曜日、運動の高まりを背景に日本のメーデーは歴史の一歩を踏み出しました。弾圧にさらされながらも労働団体相互の提携が進み、各分野のたたかいを励まし、メーデー集会も各地にひろがっていきました▼軍国主義の嵐がふきすさび、徹底して禁じられた戦前の空白。人民広場とよばれた皇居前広場に50万人が集まり、「民主人民政府の樹立」「食える賃金を」と決議した戦後の復活。働く人びとの要求と、その歩みは政治や社会を前進させる原動力となってきました▼いま、メーデー100年の節目を、コロナ禍から雇用と生業(なりわい)を守るたたかいのなかで迎えています。突然の解雇、派遣社員やアルバイトの打ち切り、収入や給料の激減。安倍政権のもとで支援や補償が届かず、生活と権利、人間の尊厳まで奪われようと▼このままでは職を失い追いつめられる労働者や家族、持ちこたえられず倒産や廃業に追い込まれる中小業者が増えていくばかり。いまこそ、命とくらしを守る声をあげるとき。1世紀前の閉会の辞がよみがえります。“万国の労働者団結せよ!”








