2020年4月30日(木)
きょうの潮流
道路わきのツツジが満開の花を咲かせています。白、薄紅、赤、紫。変化に富んだ色合いの花々は万葉集にも詠まれたように古くから親しまれてきました▼漢字の躑躅(つつじ)には「行っては止まり、行っては止まり」という意味があり、見る人の足を引き止める美しさから、この字が使われたといわれます。異様な世界に身を置くと、ふだんと変わらぬものがいとおしい▼大型連休が始まりました。いつもは人が激しく移動する時期ですが、今年は様変わり。交通機関や観光、宿泊施設はどこも閑散とし、街中の人影もまばら。空港には旅客機、JRの車両基地には新幹線がずらりと並ぶ光景が世のありさまを際立たせています▼国や自治体は「ステイホーム週間」などと呼びかけますが、生活苦や行き場を失い、家にいたくてもいられない人たちも。コロナ禍によって社会の仕組みが根底から崩れようとしています▼そんなとき、政治は何をなすべきか。国会で共産党の志位委員長が政府に訴えました。医療現場や市井の痛切な叫びをぶつけ、具体的な数字をあげながら。苦しんでいる人びとを助ける、安心できるように減収を補償する。なぜ、それをすぐにやらないのかと▼一律10万円給付をはじめ、この間の野党の提案は国民の命とくらしを守る視点が定まっています。しかし、この危機に際して、のんきに収束後のキャンペーンを語る政府からは、目の前の対策も必死さも伝わってきません。こちらは花とちがい、異常時にみえる政治の本気度です。








