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2020年4月28日(火)

主張

補正予算審議入り

抜本的な組み替えが必要だ

 安倍晋三政権が提出した、新型コロナウイルス感染拡大対策のための2020年度補正予算案の審議が始まり、衆参両院本会議で各党の代表質問が行われました。補正予算案は、世論の力で1人当たり一律10万円の給付が盛り込まれて組み替えられたものの、爆発的感染を食い止め、国民の命と健康、生活と営業を守り抜くには全く不十分です。こうした補正予算案の問題点は、代表質問でいっそう浮き彫りになりました。抜本的な組み替えが必要です。

休業要請と一体で補償を

 国会に提出された補正予算案は、一般会計の総額が25兆6914億円で、そのうち1人一律10万円給付の予算は12兆8803億円です。10万円が一刻も早く、すべての人のもとに確実に届くよう、安倍政権は責任を果たすべきです。

 国会での審議を目前に、一度決定された補正予算案を政府に組み替えさせたのは、国民の世論と結んで政府を追い詰めた野党の国会論戦などの大きな成果です。しかし、一律10万円給付だけで終わらせることはできません。

 なにより外出の自粛や休業の要請と一体の補償の立場に立つことが不可欠です。すでに閉店したり廃業したりする中小の商店が相次ぎ、大企業でも生産の停止などが深刻な影響を広げています。かつてのリーマン・ショック時を上回る規模でのリストラや「派遣切り」、解雇などが懸念されます。衆院本会議で代表質問に立った日本共産党の笠井亮議員は、「雇用調整助成金」を「コロナ特例」として対象を広げ、1日当たり8330円の支給の上限も引き上げ、審査も「事後審査」にすることなどを迫りました。安倍首相も状況に応じた対策の必要性は認めました。抜本改革をすべきです。

 コロナに直撃され、大学をやめざるを得ないという学生の悲痛な声が続出しています。休校中の学費免除、奨学金の返済猶予、アルバイト収入減への8割補償などに踏み切る時です。

 1兆円の「地方創生臨時交付金」を、政府は休業「協力金」にも充てることができるとしましたが、全国の自治体が支給するには不足しています。全国知事会が要求しているように、大幅な拡充が急務です。

 なにより急がれるのは検査体制や医療体制の強化です。ところが補正予算案には、「緊急包括支援交付金」1490億円しか計上されていません。全然足りません。PCR検査体制の強化や、患者を受け入れる病院への支援などに数兆円規模の財政出動を行うべきです。

 補正予算案は、感染収束後の観光促進のための「Go Toキャンペーン事業」に1兆6974億円を充てています。参院本会議で代表質問した日本共産党の田村智子政策委員長が要求したように、これは全額、目の前の感染症とのたたかいに回すべきです。

不要不急の予算見直せ

 新型コロナの感染拡大に対処するためとして巨額の補正予算案を提出しながら、総額100兆円を超す20年度本予算には一切手を付けないのは重大です。イージス・アショアの購入や米軍辺野古新基地の建設など、巨額の軍事費を盛り込んだ本予算には、多くの問題があります。軍事費をはじめ不要不急の予算を削減し、コロナ対策に集中することが重要です。


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