2020年4月24日(金)
新型コロナ対策 接触8割減へ専門家会議が提言
GWは自宅で過ごして医療体制・保健所強化を
新型コロナウイルスに関する政府の専門家会議は22日夜に公表した新たな提言で、人と人の接触を8割減らすという目標が達成できていないとして、自宅でのテレワークの徹底やゴールデンウイーク(GW)中に旅行を控えることなどを呼びかけました。国や都道府県に対しては、医療体制と保健所の強化を特に強く求めました。
専門家会議は平日の主要駅で人口減少が十分でないと指摘。地方では公園の利用が緊急事態宣言前よりも増加したと分析しました。
職場の対策としては▽原則としてテレワークにする▽出勤者は時差通勤をし、社内でも人と人の距離(2メートル以上)を十分にとる▽換気の徹底や電話・パソコンの共用を避けて接触感染を防ぐ▽病気のときに安心して休める体制の整備―などを提案しています。
使い方工夫して
公園に人が多く集まる傾向があることについて提言では、一律閉鎖ではなく、地域での話し合いなどで使い方の工夫をするよう呼びかけました。GWは、自宅で過ごしてほしいとしています。
提言は、具体的にどう行動すべきかを「10のポイント」(表参照)にまとめ公表。▽ビデオ通話でオンライン帰省▽ジョギングは少人数で。公園はすいた時間、場所を選ぶ▽会話はマスクをつけて―などと例示しています。
現場の疲弊深刻
医療体制については「医療現場のひっ迫が深刻になりつつある地域が増えている」と指摘。重症者、中等症者を集中的に受け入れる「重点医療機関」を全都道府県で設定するよう要請しています。保健所業務についても、「現場の業務負担と疲弊感はすさまじい」として、人員、経費の補充を求めました。
PCR検査については、医師が必要と認める場合には「遅滞なく確実に検査できる体制を確保したうえで、速やかに検査を実施すべき」だとしました。
ゴーグルなど感染防護具が不足していることについて、会議後に会見した尾身茂副座長は「過酷な診療に従事する医療関係者に防護資材の安定供給を。これがないと感染拡大の防止ができないし、院内感染がますます広がる」と強く要望しました。
帰国者・接触者相談センターや、帰国者・接触者外来の名称については、市民に分かりやすく周知するため、「新型コロナ受診相談センター」「新型コロナ紹介検査外来」などとするよう提案しています。
厚生労働省クラスター対策班の西浦博・北海道大学教授は会見で、「向こう1年間はこの流行と付き合っていかないといけない。その先は分からない」と述べました。
人との接触を8割減らす、10のポイント
(新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の提言から)
(1)ビデオ通話でオンライン帰省
(2)スーパーは1人または少人数ですいている時間に
(3)ジョギングは少人数で公園はすいた時間、場所を選ぶ
(4)待てる買い物は通販で
(5)飲み会はオンラインで
(6)診療は遠隔診療(定期受診は間隔を調整)
(7)筋トレやヨガは自宅で動画を活用
(8)飲食は持ち帰り、宅配も
(9)仕事は在宅勤務(通勤は医療・インフラ・物流など社会機能維持のために)
(10)会話はマスクをつけて