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2020年4月23日(木)

検査充実で死亡者少

PCR 千葉大チーム各国解析

 新型コロナ感染症について、PCR検査の陽性率が低い国は死亡者数が少ないという解析結果を、千葉大学の研究チームが21日、発表しました。検査が充実していると陽性率は低くなる傾向がありますが、日本では陽性率が上昇傾向にあることから、研究チームは「死亡者数を増加させないためにPCR検査能力を拡大することが急務」としています。

 世界の感染拡大の状況はPCR検査の陽性者数が報告されていますが、新型コロナの場合は無症状の感染者が多いことから各国の検査の状況に左右され、正確な比較はできません。研究チームは、各国の死亡者数の変化のパターンを地域ごとに予測・解析しました。

 その結果、人口当たり1日の死亡者数は、多くの国で感染拡大の30日後に増えなくなりましたが、欧州、北米などではアジアより100倍も多いなど、地域差がありました。

 さらに欧米などの検査状況を調べると、死亡者数と検査数に関係性はみられなかった一方、死亡者数と陽性率の関係では、陽性率7%未満の国の死亡者数は、同7%以上の国の死亡者数の15%でした。

 陽性率の高い国ほど陽性者の確認から死亡者が増えるまでの期間が短く、研究チームはPCR検査が不十分で発症前の感染者を見落としたか、重症者の入院の手遅れの可能性が高いとみています。

 日本では21日現在、陽性率8・9%。研究チームは、陽性率7%未満を保つことが死亡者数の抑制にとって重要だと指摘。樋坂章博教授は「PCRの効果に明確な差が出て驚いた。陽性の人が増える準備をしたうえで、PCR検査の体制を真剣に整える必要がある」と話しています。


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