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2020年4月22日(水)

沖縄防衛局 辺野古設計変更を申請

デニー知事は不承認方針

軟弱地盤改良

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(写真)辺野古新基地をめぐる政府の設計変更承認申請書提出を受けて会見するデニー知事=21日、県庁

 防衛省沖縄防衛局は21日、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設で、埋め立て予定地に広がる軟弱地盤改良のための設計変更を沖縄県に申請しました。辺野古新基地に反対する玉城デニー知事は変更申請を認めない方針で、安倍政権が改良工事に着手できる見通しは立っていません。

 デニー知事は同日、県庁で記者会見し、「政府が、県が求める対話に応じることなく、県民に十分な説明を行わないまま、埋め立て工事を行うための手続きを一方的に進めようとすることは、到底納得できるものではない」と批判。「申請書の内容を精査した上で法令にのっとり、厳正に対処する」と語りました。

 設計変更では、埋め立て区域北側の大浦湾の大半で地盤改良を実施。改良工事にはサンドコンパクションパイル(SCP)、サンドドレーン(SD)、ペーパードレーン(PD)の三つの工法を用います。約7万1000本の杭(くい)を打ち込むほか、護岸の形状を変更するなどとしています。ただ、軟弱地盤は最深で海面下90メートルまで達していますが、国内の作業船は海面下70メートルまでしか工事できません。辺野古漁港周辺への資材置き場設置のための埋め立てを取りやめますが、埋め立て面積は約152ヘクタールにのぼります。

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 総工費は、設計変更前の2・7倍の約9300億円。うち、埋め立て費用は約7225億円で、新基地建設に反対する市民らに対する警備費用約1700億円、地盤改良工事費用約1000億円などを含みます。

 工期は、変更後の計画に基づく工事に着手してから9年3カ月。米軍への提供手続きなどを合わせて完成まで約12年を見込んでいます。完成は2030年代以降となりますが、県が変更申請を承認することが前提で、工事が進む保証はありません。

 デニー知事は「新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための対策を進めている時期だ。今は県民の命を守るべきだと述べてきた。しかし(政府は)現下の状況を全く理解しておらず、断じて容認できない」と厳しく非難しました。一方、河野太郎防衛相は同日の記者会見で、「書類の提出だからコロナとは関係ない」などと述べました。


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