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2020年4月21日(火)

きょうの潮流

 「世界は一つ。ともに家で」を呼びかけた著名音楽家たちによるネットのライブコンサート。監修したレディー・ガガさんが選んだ曲は、チャップリンの「スマイル」でした▼機械に支配された労働者と貧しい浮浪少女との交流を描いた映画「モダン・タイムス」。絶望に打ちひしがれる少女をチャップリンが励ますラストシーンに流れるこの曲は、人びとを希望へといざないます▼いまNHKBSプレミアムで、毎週水曜日に彼の代表作が放送されています。弱者に視点をおいて社会の矛盾や権力者の横暴をあばき、愛と自由、人間の尊厳をうたう。笑いと涙に包まれた作品は色あせないどころか、この困難さのなかで生きる力をあたえてくれます▼1889年4月16日、ロンドンの貧民街に生まれた“喜劇王”は幼くして親が離婚。食べ物をもとめてうろつき回るほどの極貧生活を送りました。しかし、悲惨な生い立ちや米国の「アカ狩り」による国外追放にも屈せず、世を照らす作品をつくり続けました▼「人生が楽しくなるし、いま抱えている問題はいずれ克服できると楽観的な気持ちになる」。その源泉をたどる『凜凜(りんりん)チャップリン』を生誕の日に刊行した伊藤千尋さんは、彼の喜劇は人間性を目覚めさせ、人間の心を真っすぐにさせるといいます▼ともすれば、かわいた日常に陥りがちないま、あのユーモラスな姿とやさしいまなざしが時をこえて語りかけてくるようです。笑ってごらん、そうすれば、きっと明るいあしたにつながるよ。


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