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2020年4月18日(土)

国民と党員の命を守り推進可能な課題に力の集中を

副委員長・党建設委員会責任者 山下芳生

 山下芳生副委員長・党建設委員会責任者が17日に党内通信でおこなった全党への訴えは次の通りです。


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 全国のみなさん、こんにちは。深刻化するコロナ危機のもとで、国民の苦難軽減という立党の精神を発揮した活動にとりくみつつ、強く大きな党をつくる活動に奮闘されているみなさんに心から敬意を表します。

 きょう私は、コロナ危機の下でいよいよ大きくなる日本共産党の役割に確信を持つとともに、いまの情勢の下では、党活動のあり方を思い切って発展させる必要があるということについて、率直に訴えたいと思います。

コロナ危機から国民の命を守るかけがえのない党の役割

 新型コロナから国民の命と暮らしを守るうえで、日本共産党が果たしている役割はかけがえのないものであります。

 昨日、安倍政権は、これまでの政府案の破綻を認め、わが党をはじめ野党が一致して要求し国民が強く求めていた「1人10万円」の給付を盛り込むために、閣議決定した補正予算案を組み替えるという異例の事態に追い込まれました。危機の下で、国民と野党が声を上げ、政治を一歩動かしたことの意義はきわめて大きいと思います。

 同時にこれは一歩にすぎません。政府の対策は、(1)「外出自粛や休業要請と一体に補償を」という国民の圧倒的多数の要求に背を向けている、(2)医療崩壊を阻止するための実効ある措置が、まったく盛り込まれていない――という二つの大問題があります。これでは、コロナ危機から国民の命と暮らしを守ることはできません。

 昨日、わが党の志位委員長は、「感染爆発、医療崩壊を止める緊急提案」を発表し、外出自粛・休業要請と一体の補償、検査体制強化と医療現場への本格的財政支援を求める党の立場を明らかにしました。ここには、すでに始まりつつある「医療崩壊」を阻止するために、「大量検査」を行うなどの新しい踏み込んだ提案もされています。深刻化するコロナ危機のもと、国民が最も強く不安を抱いている焦点の問題で、当事者、専門家の意見もふまえて、全面的に解決の方向を示す提案となっています。

 わが党のこの提案を広く国民に届け、宣伝・対話し、国会議員団、地方議員団、党機関と支部が力を合わせて危機を打開する国民的な世論と運動を起こそうではありませんか。

今の情勢の下での党活動のあり方

 今日、私が特に訴えたいのは、今の情勢の下で、党活動のあり方を発展させることについてであります。

 4月3日、常任幹部会は「新型コロナから国民の命と暮らしを守る取り組みに全力をあげつつ、強く大きな党をつくる活動に意気軒高に取り組もう」との訴えを発表しました。

 常幹「訴え」にもとづき、全国各地で、苦難軽減の取り組み、党勢拡大で、果敢な奮闘が展開されてきました。これらは困難な条件の下で本当に貴重なものです。

 同時に、13日の常任幹部会では、新型コロナウイルスの感染が広がり、「緊急事態宣言」が発令されたもとで、全国の党活動・党勢拡大の取り組みの現状をふまえて、常幹「訴え」を基本にしつつ、党活動のあり方をさらに踏み込んで発展させていく必要があると判断し、次のような発展方向を確認しました。

国民の苦難を軽減し党員の命と健康を守りぬく

 まず大前提として、コロナ危機がいよいよ深刻化し、その克服の道のりが長期になることを直視し、国民の苦難軽減のために奮闘するとともに、党員の命と健康を守るという観点を徹底することが大事です。党員の命と健康を守りぬくことは、党組織を守りぬくことでもあります。コロナ危機が収束したときに、党が大きな痛手を負っているということに絶対になってはいけませんし、党員の命と健康を守りぬくことは、社会的責任でもあります。

無理をせず、いまできる課題を思い切って推進

 そのことを大前提に、党活動の基本的姿勢として、(1)コロナ危機のもとで客観的に困難をきたしている課題は決して無理をして進めるということをしない、(2)危機のもとでも推進可能な課題に思い切って力を集中するという合理的活動を行う、(3)それを実行するために、支部でも機関でも、状況にそくした連帯と団結を維持し強めることとしたいと思います。

 一言でいいますと、国民と党員の命を守りながら、できることを思い切ってやる、無理なことはやらない、党活動にメリハリをつけるということです。そして、こういう時こそ党員同士の連帯の絆を強めようということです。

 この基本姿勢に立って、具体的な活動のあり方を次のように発展させることを訴えます。

党勢拡大は読者拡大に力を注ぐ

 一つは、党勢拡大については、「しんぶん赤旗」読者拡大に思い切って力を注いでいくことです。見本紙を届け、電話を使って働きかけ、読者拡大を実際に前進させる奮闘が各地に広がっています。そういうとりくみのなかで、せきを切ったようにさまざまな不安や願いが語られ、その絆となる「しんぶん赤旗」が増えることが、全国各地から報告されています。感染リスクのないこうしたとりくみを大いに積極的に推進しましょう。

 党員拡大については、“感染拡大防止のため人と人との接触をできるだけ減らそう”とよびかけられている時だけに、入党の話をする約束をとろうと働きかけても、対象者が“今は勘弁してほしい”と躊躇(ちゅうちょ)するのは避けがたいものがあります。一方で党員拡大の働きかけを電話だけで行うことは適切ではありません。

 新型コロナとのたたかいは長期にわたることが予想されます。そのもとで、とりわけ「しんぶん赤旗」の陣地を、どんな困難があっても、何としても維持し、前進させるためにあらゆる力を注ぎましょう。党勢拡大については読者拡大に思い切って力を注ぎ必ず前進をかちとることに重点をはっきりとおき、推進しようではありませんか。

支部の連絡・連帯網を強め支え合おう

 二つは、支部活動のあり方についてです。常幹「訴え」は、支部会議について、「3密」(密閉、密集、密接)をクリアする環境をつくって開催しよう、そういう環境がつくれない場合は、「さまざまな方法で、連絡・連帯網を強め、党員の命と健康を守り、支えあい、党活動を絶対に中断せず、継続・推進・強化していくために知恵と力をつくしましょう」と提起しました。

 「緊急事態宣言」が全国に発令された現状で、「3密」をクリアする環境をつくって会議を開く場所を確保できず、支部会議の開催自体に大きな困難が生じている党組織が広がっています。広い支部のセンターを持っているところはあまりありません。公共施設も利用できない状況が広がっています。

 こうした状況のもとで、各地で努力されているように、電話やSNSで激励しあったり、支部ニュースをつくり届け・交流するなど、さまざまな方法で党員と党支部の連絡・連帯網を強め、団結と連帯をはかり、党活動を維持・発展させるとりくみに思い切って力を注ぐ必要があります。

 感染拡大防止のために「3密」を避ける必要があるのは全国共通の課題です。同時に、どんな困難な状況のもとでも、綱領という共通の政治的・思想的絆で結ばれた党が、その連帯と団結を維持し、発展させることは、絶対に必要であります。

 全党的に、支部の活動については以上の考え方を徹底し、思い切って、連絡・連帯網を強めましょう。支部長や支部指導部の同志が中心になって、党員とこまめに連絡をとり、「体調にかわりはありませんか」「お元気ですか」と声をかけあい、励まし合いながら活動を発展させましょう。困難なもとでも、支部の団結と連帯を断固として維持し、党活動を継続・推進・強化することを心から訴えるものであります。

党機関の会議は限定して開催を

 三つは、党機関の会議については、必要な会議にうんと限定して、時間も短くして開催しましょう。県委員会総会や地区委員会総会を開くとなれば「3密」は避け難くなります。一方、機関の会議まで、すべて“連絡・連帯網で”とすると党活動の維持・発展はきわめて困難になります。党機関の会議は、必要な会議に絞り、「3密」を避け、時間を短くして、開催しましょう。

こういう時こそ大いに学習を

 四つは、常幹「訴え」が、「こういう時こそじっくり時間をかけて知的・理論的確信をつちかい、世界と日本の前途への大局的展望をつかむ活動に大いに取り組みましょう」と提起したことは歓迎されています。

 いま学習は心おきなくやれます。党大会決定の全党員への届けと読了・学習、「改定綱領学習講座」の視聴・学習を全党員によびかけましょう。学習の基本は独習です。独習の気風が全党に定着するよう、励まし合って取り組みを前進させましょう。

 コロナ危機は、世界のあり方に大きな問いを突き付けています。すべてを市場にまかせる新自由主義――資本主義のなかでも最も貪欲な利潤第一主義による社会保障・医療の切り捨てが何を招くのかは、イタリアなどでの悲劇、そしてこの日本での現実が示しています。資本主義はグローバル化を極端なまでにすすめ、コロナウイルスを瞬時に世界に拡散させましたが、この危機に対して資本主義世界が協力して立ち向かえるかが問われています。コロナ危機は、世界でも日本でも、人々の新たな連帯を求めるものとなっています。21世紀の世界と未来社会に新たな視野を開いた改定綱領は、これらの問題への大局的な答えを示すものともなっています。

 コロナ危機のもとで、学習、とりわけ独習によって、政治的・理論的・思想的に強い党をつくりあげようではありませんか。

感染を防止し、配達・集金網を守り抜こう

 五つは、「しんぶん赤旗」の配達・集金の活動です。コロナ危機を打開するうえでも、「しんぶん赤旗」はかけがえのない役割を果たしており、感染を防止しつつ、配達・集金網を何としても守り抜かなければなりません。配達・集金のさいには、検温、マスクの着用、こまめな手洗いを行いましょう。読者と早めに連絡を取り、購読料の受け渡し方法を相談して集金しましょう。体調が悪いときは絶対に無理をせず、率直に支部の同志と相談して交代するなど、みんなで力をあわせましょう。

4月の党建設の到達点と強化方向

 最後に4月の党建設の到達点と強化方向についてのべます。

 常幹「訴え」にもとづく4月の党建設の到達点は、13日の週報によると、「しんぶん赤旗」読者拡大では、日刊紙498人、日曜版4228人。党員拡大は、入党申し込みが78人となっています。大会決定の届けは74・8%、綱領の読了が31・1%、討議開始が75・0%となっています。

 困難なもとでも、読者拡大では、4月に増勢した2016年や17年なみの拡大となっています。全党の奮闘に心からの敬意を重ねて申し上げたいと思います。

 この4月は、新型コロナから国民の命と暮らしを守るうえでも、また党員の命と健康を守り抜きながら党活動を維持・発展させるうえでも、正念場の月となります。

 全党のみなさんに訴えます。

 ――見本紙、電話、SNSなど、感染リスクのないあらゆる方法で「赤旗」読者を増やし、4月の読者拡大の前進を必ずきりひらきましょう。支持者、元読者名簿、一人ひとりの結びつきを生かして購読を訴えましょう。

 ――ネットを使ったオンライン交流、支部ニュース、電話などで、支部の連絡・連帯網をつくり、強化しましょう。改定綱領講座の視聴、大会決定の学習をした党員の喜び、感動を交流しあい、励ましあって学習にとりくみましょう。

 みなさん。常幹「訴え」は、コロナ危機が長期にわたることが予想されるもとで、この条件のもとでも党の知恵と力を結集して、前進する道を見つけだすことを訴えました。この4月に、党大会決定の読了でも、読者拡大でも、前進させることができるならば、その画期的な一歩となることは間違いありません。

 お互い、自らと仲間の命を守りぬきながら、コロナのもとでも前進をきりひらくという新たな挑戦をやりぬこうではありませんか。

 中央委員会も全党のみなさんと心一つに奮闘することを表明し、訴えを終わります。


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