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2020年4月18日(土)

都医師会 PCRセンター47カ所めざす

必要な人に実施 当然

各県から照会も

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(写真)東京都医師会 角田徹副会長

 新型コロナウイルス感染者が急速に増えるなか、感染の有無を調べるPCR検査が必要だと医師が判断しても、なかなか受けられない状況が続いています。東京都医師会では、現状を打開しようと、患者がかかりつけ医などに相談し、必要な場合は、保健所を通さず新設の「PCRセンター」(仮称)で検査を受けられる新たなとりくみを提起し、注目されています。

 現在、PCR検査を受けるには、患者や医師などが原則として保健所などに置かれている相談センターに電話をし、センターが必要と判断したうえで、「帰国者・接触者外来」を紹介してもらうしくみで、高いハードルになっています。

 都医師会の角田徹副会長は「もともと医師がきちんと診察して検査が必要と判断しているのにできないという状況はおかしかった」といいます。「患者の急増で検査しなければいけない人がたくさんいるのに、入り口の保健所と『外来』のところが混んで検査を受けられない。方向転換が必要だと判断しました」

 PCRセンターでの検査の流れは―。症状などがある場合、患者はかかりつけ医(科を問わず)に電話で相談します(かかりつけ医がいない場合は近くの病院や診療所に電話します)。診察の必要があると判断されると内科や外科、小児科で診察を受けます。診察の結果、新型コロナ感染症が疑われる場合にPCRセンターに連絡後、紹介します。

 また、肺炎などの重症化の見極めも重要で、かかりつけ医でできる検査をして対応し、同感染症が否定できない際もPCRセンターに紹介します。センターでの検査はだれもが受けられるわけではありません。検査は、病院や診療所の医師たちが輪番で担います。

 PCRセンターでの検査は保険診療で、民間の検査会社に依頼するといいます。

 角田さんは大手検査会社3社と面談。「1日の検査能力が計2千件以上あるといい、体制もどんどん強化しているので大丈夫という確約を得てスタートできた」と話します。

 発表から1週間。現在、10カ所以上で開設、あるいは準備中です。都医師会は市区町村と連携し、47地区医師会のすべてで1カ所は開設することを目ざしています。地域の事情に合わせて柔軟に運営する予定です。

 墨田区では10日から区立の診療所として安全な検査外来を開設。医師会の協力を得て室内の空気を外にもらさない陰圧テント内で週3日検査を実施中です。新宿区は国立国際医療研究センター病院に委託し、「PCR検査スポット」を来週開設の予定。区医師会、区内医療機関と連携し、検査を進めます。

 「とりくみを公表後、各県などから問い合わせが多く、驚いています。診察をして必要な人に検査するというあたりまえのことが地域の事情に合わせて各地で進むことが、感染拡大と医療崩壊を止めることにつながると考えています」(西口友紀恵)


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