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2020年4月16日(木)

きょうの潮流

 先の見えない不安、積み重なるストレスで身も心も硬くなる日々が続きます。その心をほぐしてくれる話を―▼日本から遠く1万2千キロ離れた東アフリカの国、南スーダン。日本が国連の平和維持活動で憲法違反の自衛隊派遣を強行した国でもあります。その国からいま4人の陸上選手が来日しています。東京五輪・パラリンピックで同国のホストタウンに名乗りを上げた前橋市が、昨秋から支援を開始。長期に市内で練習できる環境を整えました▼同国はいまだ内戦がやまず、安心してスポーツする環境にありません。400万人が難民生活を強いられ、食べることもままならない。走ろうにもトラックに草が生え、石が転がる。それでも選手には強い思いがありました。「自分は平和のために走りたい」▼4年前から国内で始まったスポーツ大会がきっかけです。対立する民族が武器をもたずに集い、競い、話し合う。「違う民族との誤解がとけ、大会後はみんな平和になれた」。その体験から「スポーツは国を一つにする」との信念が芽生えました▼選手は市内の小学校を訪れ、町内行事にも参加し、「前橋の人たちは温かい」と話します。一方、市民は「平和を考えるきっかけになっている」。市はふるさと納税を通じ、選手の滞在費を確保しています。大会延期となったことで追加の費用をつのり、7月以降の継続も検討しています▼国を超えて人々をつなぐスポーツの力。選手と市民で駆け抜ける“平和のゴール”を見届けなくては。


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