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2020年4月12日(日)

コロナ禍 障害者も苦境

事業所維持 模索続く

名古屋・北区

写真

(写真)製品をつくる人たち=6日、名古屋市北区

 新型コロナウイルス感染症の拡大は、障害者の働く場である事業所へも影響を及ぼしています。名古屋市北区の「ワークプレースみるみる」では、出店やイベントが中止され売り上げ収入も激減するなか、これをのりこえようと力を尽くしています。(嘉藤敬佑)

 「ワークプレースみるみる」は2017年4月に開所し、現在5人の障害者が働いています。「地域のなかで障害者が暮らしながら、地域の役に立てる仕事を」と、普段は木工製品や乾燥食材を販売しています。北区役所での月2~3回の出店も好評です。

 木工製品の「お魚つりセット」は、ヒノキ材を電動糸のこでくりぬいた魚とつりざおをセットにしたもの。「孫のおもちゃに」と人気があり、2000円の製品が1日に何個も売れたことも。材料も岐阜の製材所などから安く譲りうけています。

 仕入れた乾燥糸こんにゃくなどを袋に詰める仕事もみんなで行うなど、楽しく働ける場になっています。

 ところが新型コロナウイルスの感染拡大で出店の機会がなくなりました。理事長の岡田祝子さんは「出店がなくなり、どうやってのりきるか。23日に予定していた事業所の3周年祭も中止。やっと軌道に乗ってきたところなのに」といいます。

 少しでも障害者の工賃を確保しようと、繰り返し洗って使える布マスクをつくることにしました。

 布の裁断や縫製、ゴムひもを通すなど、すべてが手作業のため、1日で作れるのは10~15個程度。1個350円で販売しますが、材料代も安くありません。ミシンで上手に縫いあげるマコトさん(仮名)も「早く電動糸のこが使いたい」と本音を漏らします。

 イベントでお客さんとふれあうのも楽しみの一つ。知的障害のあるアツシさん(仮名)も「早くお客さんに『いらっしゃいませ』と言いたいです」と話しました。

 岡田さんは、「障害者が楽しく働ける場を心がけてきました。新型コロナに負けずに、今は、地域でマスク不足に困ってみえる方たちのために、がんばっていきたい」と話しました。


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