2020年4月12日(日)
なんだっけ
NHKが「指定公共機関」になるの?
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Q NHKが「指定公共機関」になるってどういうこと?
A 安倍内閣が新型コロナウイルス感染症への対応として国会に提出、わずかな審議で成立させた改定新型インフルエンザ等対策特別措置法(特措法)で、政府が「緊急事態宣言」を出せば、「日本放送協会その他の公共的機関」が「指定公共機関」となり、首相が「必要があると認めるとき」、「必要な指示」を行うことができるという規定があるんだ。
Q 安倍首相にそんな権限を与えたら怖いね?
A 具体的な権限の範囲の記載がなく、首相が必要とさえ思えば何でも指示ができることになってしまう。政府に都合のいい情報だけが独り歩きすることになるのではないか、という不安がぬぐえない。国民の知る権利が脅かされることになる。
Q 民放はどうなるの?
A 特措法案の審議の際、宮下一郎副内閣相が「法の枠組みとしては、民放を(指定機関に)指定して『今この情報を流してもらわないと困る』と指示を出し、放送内容について変更、差し替えをしてもらうことは、ありうることだ」と答弁した。批判が出て、2日後に「NHKや民放等の放送事業者に対する放送内容の総合調整や指示は、放送法により行うことができない」と答弁を修正したけど、多くの報道機関を支配下に置きたいという権力側の“本音”が出たものだ。政府に屈して戦争を礼賛し、国民を駆り立て多くの犠牲を出したという戦前の苦い教訓からも報道機関の主体性が問われるし、国民の監視がいっそう必要だね。
(2020・4・12)