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2020年4月12日(日)

主張

コロナ危機と住居

安心の住まい確保への支援を

 新型コロナウイルス感染拡大は、安定した住まいを持てない人たちを直撃しています。解雇などで収入を断たれた人だけでなく、雇用は継続できても給与が激減し、家賃の支払いに窮する人が増えています。外出自粛要請で「できるだけ家に」と言われても、自宅そのものを失えば路頭に迷うことになります。住まい確保が困難な人の実態を早急につかみ、支援を強めることが国と自治体の役割です。

「家」失う人が出ぬよう

 緊急事態宣言を受け、東京都はネットカフェにも休業を要請しました。都内のネットカフェで暮らす人は1日当たり約4000人と試算されています(2018年)。都は対策として、一時的な滞在施設を一定の数で確保するとしていますが、足りないという声が上がっています。都は規模を拡充するとともに、国としても必要な支援を検討すべきです。

 賃貸の民間アパートなどで生活している人の収入減も極めて深刻です。コロナ感染拡大の影響で世帯の家計を支えてきた人の収入が大きく減ったために、たちまち家賃が支払い困難に陥った世帯も生まれています。貯金などの蓄えもない世帯も数多くあります。家賃が払えなくなった途端に借り主が追い出されることがないよう、家主を支えることも含めた公的な支援の仕組みをしっかり整えることが急務です。

 08年のリーマン・ショックの時も、仕事と同時に住まいを失う人の急増が大問題になり、住宅確保給付金制度が創設されました。家賃相当額が3カ月支給され、再就職先が決まらないなどの「特別な事情」がある場合は9カ月まで延長されるというものです。今回のコロナ対策のために支給対象は拡大されました。しかし、会社の寮の退去を迫られた場合、いったん退去し新たな住まいを確保しないと給付されないなどの問題が残されています。現在の住まいのまま求職活動ができるようにすることをはじめ改善をはかるべきです。

 リーマン危機の際に、時限的に創設された離職者住居支援給付金の復活は不可欠です。離職前からいた住居に原則無償で継続居住させることを要件に、1人当たり4万~6万円を事業主に支給するという仕組みです。これまでの多くの経験を生かし、住まいを失う人たちをつくらない万全の対策を講じることが政治の責任です。

 住まいを失った場合、生活保護の住宅扶助を利用できます。多くの自治体は、無料低額宿泊所をあっせんしますが、これらの施設の多くは10~20人の相部屋で、感染を拡大させる危険があります。民間施設の借り上げ、公共施設の利用や宿泊料の補助による住まいの確保への支援などが必要です。

 アメリカでは狭いアパートに大家族で住んでいた低所得層で感染が広がったとの指摘があります。安全・安心の住まいの確保は、感染症対策の重要な土台であり、社会全体の安全にもつながります。

国の住宅政策が問われる

 コロナ感染拡大は、低所得で安定した住まいを持てない人の暮らしを脅かす日本の住宅問題を改めて浮き彫りにしています。もっぱら自力による持ち家取得が中心で、低額な家賃の公営住宅の建設や公的な家賃補助制度には消極的な住宅政策が問われています。


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