しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年4月12日(日)

きょうの潮流

 人類は人命救助にこそお金を使うべきではないか―。新型コロナウイルスの感染拡大をめぐり米国の学者が米誌に意見を寄せていました。医療を後回しにして核兵器などに資金をつぎ込む社会で良いのかという提起です▼ベッド、人工呼吸器、マスク、防護服が世界各地で不足しています。医師や看護師の過重労働も深刻です。本来なら救える命が救えない。各国メディアは医療従事者や市民の苦悩を伝えています▼感染者数が世界最多の米国は世界最大の核兵器国です。国際NGOの試算では、米国の核兵器支出1年分だけで、集中治療室のベッド30万、人工呼吸器3万5千を導入し、22万人超の医師や看護師の賃金をまかなえます。これだけあれば一体どれほどの人命を救えるでしょうか▼冒頭の学者は、コロナ危機は「警鐘」だと指摘します。「理性に欠けた優先順位」や国同士の恐怖・不信をあおる政策を見直し、本当に人間を中心に据えた安全保障へかじを切るべきだと訴えました▼英国でも退役した軍司令官3人が国会議員へ宛てた書簡で核兵器予算に疑問をぶつけました。コロナ危機からの復興には何十年もかかる。にもかかわらず核ミサイルの維持へ今後も資金を出し続けることが「適切なのか?」と▼コロナ危機は今後も長期にわたり続く可能性があります。ウイルスに負けない社会をどうつくるか。当面必要な対策に全力を尽くすと同時に、“軍事優先を続けていいのか”と社会の在り方を根本から問う声をさらに強めるときです。


pageup