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2020年4月6日(月)

きょうの潮流

 「コロナがきた」。公園で遊ぶ子どもたちから、こんな言葉が聞こえてきたと知人が嘆いていました。マスクを着けているのに電車でくしゃみして舌打ちされた、具合が悪くて病院にいったら病原菌のように扱われたという人も▼感染が拡大するなかで、いわれなき非難や差別がひろがっています。矛先は最前線で命がけで奮闘している医療従事者や、その家族にも。海外でもつらい目にあった日本人やアジア人が相次いでいました▼「誤解や偏見を生むような対応は、できる限り控えることが重要」。原発事故によって、いまも風評被害を受けている福島県の内堀知事は現状に苦言を呈しています。国内外の政治家の発言や感染に似た症状が表れた人が対象になっていることを憂慮しながら▼「放射能がうつる」。かつて被災者の子どもが避難先でいじめにあい、社会問題になりました。福島ナンバーの車が傷つけられるなど、いやがらせや理不尽な仕打ちはおとなの世界でも▼目に見えないものに対する人間の不安や恐怖の裏返しなのか。しかし思慮や冷静さを欠いた行動は混乱を招くだけです。補償もせず自粛させる、現金給付は条件付き、風俗で働く人たちは支給から外す。こうした政府の対応も差別や偏見を助長しています▼「人類の敵」に力を合わせて立ち向かうとき。ドイツはイタリアやフランスの重症患者の受け入れや医療物資の支援に動いています。世界が変わるほどの災厄とのたたかい。そこには分断や壁、国境もないはずです。


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