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2020年4月5日(日)

きょうの潮流

 筆者宅は家族が花粉症で、日ごろからマスクを備蓄しています。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大が長引き、ついに底が見えてきたので、ドラッグストアの行列に並ぶことになりました▼最寄りの店には「在庫なし」の張り紙が。自転車で必死に走り、2キロ先の店についたのは開店30分前でした。すでに100メートル近い列。出遅れに後悔しましたが、何とか7枚入りを1袋だけ確保できました▼そんな庶民の“右往左往”ぶりをみて、「施しもの」を思いついたのか。安倍晋三首相が突如表明した、各家庭への布マスク2枚の配布です。ある朝、郵便ポストを開けたらマスクが届いていた、さぞや国民は喜ぶだろう、と▼そう思っていたのかもしれませんが、あぜんとしました。マスク不足はもう1月下旬から続いています。「増産する」と2カ月以上も言い続けながらいっこうに改善されず、その結果がこれか、と。この「アベノマスク」は、「物笑いの種」として米国内でも報じられ、全世界で失笑の対象になりました▼最大の問題は、このマスク配布案は専門家会議の意見を踏まえていないことです。感染予防の効果も疑問視されています。専門家の意見を聞かずに決めた一律休校要請がもたらした混乱から、この人は何も教訓を学ばなかったのでしょうか▼国民が本当に求めているのは、長期にわたるコロナウイルスとのたたかいの中、生きていく上での確実な補償と正確な情報です。布マスク2枚に希望を見いだせるはずがありません。


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