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2020年4月2日(木)

きょうの潮流

 新年度が始まりました。入社式や入学式の相次ぐ中止や異例の式典。いつもとは異なる門出に、緊張と不安がいっそう募ります▼世の中が一変するなかで一歩をふみだす若者たち。胸中はいかばかりか。東日本大震災のあと、生きることの意味や人の役に立ちたいと口々に語っていた新社会人や新入生。まん延するウイルスに命が脅かされる危機のとき、どこに希望や喜びを見いだすか▼働く環境は厳しさを増しています。解雇や内定取り消し、給料の未払いも。今月から中小企業にも残業規制が適用されますが、雇用や働く者の権利を守りながら、テレワークなどデジタル時代の技術革新を生かし、ゆとりある働き方への転換が求められます▼アルバイトがなくなり、学費や生活費が稼げず困窮する学生も。労働者や若者を守れの訴えは組合や青年団体によって国にも届けられています。ちまたでわき上がる、自粛には補償を、の声とともに▼他者や社会全体を考えながら、いかに自分は生きていくべきか。吉野源三郎が80年前に著した『君たちはどう生きるか』。漫画となってふたたび世にひろまった本は、次の時代をになう若人に呼びかけています▼ぼくたちは自分で自分を決定する力をもっている。だから、誤りを犯すこともある、だから、誤りから立ち直ることもできるのだ。お互いに、この苦しい思いの中から、いつも新たな自信を汲(く)み出してゆこうではないか。正しい道に従って歩いてゆく力があるから、こんな苦しみもなめるのだと。


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