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2020年3月28日(土)

きょうの潮流

 いま“スポーツの聖地”が揺れています。東京にある明治神宮外苑地区(新宿区、港区)は、昔から国立競技場や野球場、スケート場などがつくられてきたスポーツ施設のメッカ。そこに異様な再開発計画が持ち上がっています▼神宮球場と秩父宮ラグビー場を入れ替え新設する計画ながら、そこに185メートルと190メートルもの超高層ビルなど4棟のビル、ホテルを建てるもの。加えて、第二球場や6面の軟式野球場、フットサル場、バッティングセンターなどを全廃する市民スポーツ切り捨て大計画です▼26日付本紙スポーツ面、都議会での党議員の追及記事で知りました。とくに軟式野球場は年間約4千件の利用がある、草野球の人気の場所です。交通の便がよく、緑も豊か。どの施設も都民にとっては、貴重なスポーツの場なのです▼所有は宗教法人明治神宮。大手デベロッパーが開発の絵を描き、都も規制外しを企て一体的に推進しています。住民説明会では、「景観を壊すな」「宗教法人がもうけに走るのか」など怒号であふれたとか▼もともと神宮外苑は、「明治天皇のご遺徳を永く後世に伝える」と国民の寄付によってつくられました。戦後、諸施設の管理については、国か明治神宮かでもめた経緯があります。それだけ公共性が高いところだけに、住民の批判は当然です▼五輪を控える都の姿勢も許しがたい。五輪憲章は「スポーツをすることは人権の一つ」と謳(うた)います。開発の推進は五輪を開く資格にかかわります。事実を広げ、声を上げねば。


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