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2020年3月25日(水)

文科省が学校再開指針

密閉・密集避けて、換気の徹底

地域別の対応求める

 文部科学省は24日、新型コロナウイルス感染症対策として、4月の新学期を迎える学校の再開に向けた指針を都道府県教育委員会などに通知しました。全国の小中高校・特別支援学校に出した一律休校要請は春休みを迎え次第、失効します。

 通知では、学校再開にあたり、19日の政府専門家会議で示された「多くの子どもや教職員が日常的に長時間集まることによる感染リスクに備える」「地域ごとのまん延の状況を踏まえる」との考え方に基づいた感染症対策を要請。集団感染の三つの条件(1)換気の悪い密閉空間(2)多くの人が密集(3)近距離での会話や発声―が同時に重なることを避け、手洗いやせきエチケットなど万全な対策を講じるよう呼びかけました。

 学校再開に必要な準備のチェックリストとして▽児童生徒と教職員の毎朝の検温、風邪症状の有無の確認▽ドアノブ、手すりなど共用部分の消毒・清掃で環境衛生を保つ▽3条件が重なるのを避けるための換気の徹底、近距離で会話する際のマスク着用―など10項目を挙げました。

 指針では、児童生徒や教職員に感染が判明した場合、出席停止や休校などの措置を自治体の衛生部局と相談して判断するという考え方を提示。今後、国内で爆発的な患者の急増(オーバーシュート)が起きれば、専門家会議の見解に基づき▽感染が拡大傾向にある▽感染が収束しつつある▽感染が確認されていない―といった地域の状況ごとの対応が必要であり、感染が拡大傾向にある地域では一定期間の休校も選択肢の一つだとしています。

 児童生徒の状況をつかみ心のケアに取り組むこと、発熱などの風邪症状が出て自宅で休養する児童生徒を欠席扱いしないこと、一律休校に伴う学習の遅れを補うために標準の授業時間を超えた時間を確保する必要がないこと、土曜授業などを行う場合に児童生徒・教職員の負担が過重にならない配慮―などを掲げました。

学校再開に向けたチェックリスト

文科省がまとめた10項目の留意点

 文部科学省が学校再開に関する指針の留意点をまとめたチェックリストは以下の通り。

 □児童生徒や教職員の毎朝の検温、風邪症状の有無の確認を行う準備ができているか

 □手洗いやせきエチケットを指導したか

 □学校医らと連携した保健管理体制を整え、清掃などにより環境衛生を良好に保っているか

 □抵抗力を高めることが重要だと指導したか

 □換気の悪い密閉空間、人の密集、近距離での会話や発声が同時に重なる場を避けるため、換気の徹底やマスクの使用を教職員の間で確認したか

 □一斉の臨時休校に伴う学習の遅れへの対応策を検討したか

 □入学式や始業式の実施方法を工夫したか

 □部活動の実施内容や方法を工夫した上で感染防止の対応をしたか

 □学校給食の実施へ感染防止の工夫をしたか

 □放課後児童クラブ(学童保育)などのために教室活用を検討したか


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