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2020年3月24日(火)

「2人 調査される側」

森友改ざん 首相・麻生氏に抗議

自殺した赤木さんの妻 自筆文

 学校法人「森友学園」への国有地売却に関する公文書改ざん問題で、自殺した近畿財務局職員の赤木俊夫さん=当時(54)=の妻が23日、安倍晋三首相や麻生太郎財務相が政府として再調査しない考えを示したことに抗議する自筆のコメントを出しました。


 赤木さんの妻は、夫が書き残した手記を公表し、国と佐川宣寿・元財務省理財局長に総額1億1千万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴(18日)。手記には改ざんが「すべて、佐川理財局長の指示です」とありました。

 真相解明を求める原告側に対し、安倍首相は国会で「検察ですでに調査を行い、結果が出ている」「麻生財務相のもとで事実関係を徹底的に調査し、(報告書で)明らかにした」などと再調査を拒否。麻生財務相も「手記と調査報告書の内容に大きな乖離(かいり)はない」と再調査に背を向けています。

遺志ないがしろ

 赤木さんの妻は自筆のコメントで、安倍首相による「私や妻が関係しているということになれば、総理大臣も国会議員も辞める」との国会での発言が「改ざんが始まる原因をつくりました」と指摘。「この2人は調査される側で、再調査しないと発言する立場ではない」と厳しく批判しています。

 また、2年前に麻生財務相から財務省を通じて墓参りの意向を伝えられた際に「ぜひ来てほしい」と応じたのに、いつの間にか自分から断ったとされたことについても言及。「私の言葉をねじ曲げた」と指摘しています。

 赤木氏の妻は自筆のコメントとは別に弁護団を通じて報道各社に見解を公表。安倍首相や麻生財務相の国会答弁を報道で見聞きして「すごく残念で、悲しく、また、怒りに震えています。夫の遺志がないがしろにされていることが許せません。もし夫が生きていたら、悔しくて泣いていると思います」と心境を明かしています。

客観的で公正に

 弁護団も同日、赤木さんが自殺した原因と経緯を明らかにするため、第三者委員会などによる客観的かつ公正な調査の開始を求める声明を発表しました。

 声明では「手記にはさまざまな新事実が記載されています」と反論した上で、赤木さんは「職場のパワーハラスメントで自殺に追い込まれたといえますが、少なくともその観点からの調査はいっさい行われていません」と強調しています。

 赤木さんの妻も「財務省の中の人が再調査しても同じ結論になるので、是非、第三者委員会を立ち上げて欲しい」「このままうやむやにされるとすれば、夫の遺志が全く果たされないことになります」としています。

写真

(写真)公文書改ざんを再調査しないという安倍首相らの答弁に対して出された赤木俊夫さんの妻のコメント(弁護団提供)


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