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2020年3月19日(木)

きょうの潮流

 「米国は特に不利な状況にある。医療を人権として保障していないからだ」。新型コロナウイルスの感染拡大を受けてサンダース上院議員が持論の国民皆保険制度の実現を改めて訴えています▼感染者は全米に広がりトランプ大統領は非常事態を宣言。最大都市ニューヨークは「前例のない脅威だ」として公立学校や飲食店などの閉鎖を発表しました。ウイルスの脅威に加えて国民が抱える不安の一つは治療にかかる費用を払えるのかという問題です▼国民皆保険制度がない米国には数千万人もの無保険者がいます。民間保険に入りたくても保険料があまりに高過ぎて入れない。医療費が全額自己負担となる彼らは新型コロナウイルスの治療も困難です。これが原因で感染がさらに広がる危険も指摘されています▼「危機の中で国民皆保険の要求はますます高まるだろう。医療は特権ではなく人間の権利なのだから」。サンダース氏は、すべての国民を対象にした無料検査や病気休暇などの緊急対策をいち早く提案しました▼ある医師は米大手紙への寄稿で、緊急治療の高額費用を払えず破産した患者の例を紹介。「悲劇をなくすには国民皆保険の道しかない」とサンダース氏に賛同を表明しています▼秋の大統領選に向けた民主党指名争いで若者らが同氏を根強く支持する理由の一つが国民皆保険制度の公約です。指名争いの行方は予断を許しませんが、「貧しい人は医療も受けられない国でいいのか」という国民の問いかけは今後も続くことでしょう。


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