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2020年3月8日(日)

きょうの潮流

 まだ起きていない。山本和奈(かずな)さんは日本の現状をこう言い表します。男女の格差は先進国で最下位。性を理由に女性の可能性や夢をつぶす悪(あ)しき慣習は根づよく、差別が差別と認識されない現実があると▼昨年、週刊誌の記事に抗議の声をあげ、いまは南米チリに活動拠点を置く山本さん。政治や社会問題が日常の中にあり、自分の思いを表現することが当たり前の国で感じ、日本にもとめる変化を『女性のひろば』4月号に語っています▼人にやさしく、かかわるすべての人々が家族の次に大切な存在といえる関係を―。そんな理想を掲げる服飾大手の会社社長が辞任しました。女性社員らに複数のセクハラ行為があったとする一連の報道を受けて▼本人は認めていませんが、ホテルやデートに誘うSNSのメッセージやわいせつ行為をされたという女性への聞き取り記録も。この社長は女性の活躍を加速させるリーダーとして、内閣府の男女共同参画会議の議員にも名を連ねていました▼国際女性デーのきょう、性暴力をなくそうと花を手に集まるフラワーデモが全都道府県で開かれる予定でした。新型肺炎の影響で一斉の開催はかないませんが、性被害を告発する声は全国に社会にひろがりました▼「未来を変えられるかもしれないという意思が生まれた場所になった」。デモを呼びかけた作家の北原みのりさんは、異例の運動の意義を強調しています。先の山本さんも意思表示をすることで変えていこうと。寝たままのこの国を起こすために。


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