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2020年3月3日(火)

きょうの潮流

 筆者の自宅から駅までの通勤ルートは、近所の小学校・中学校の通学路と重なっています。子どもたちでにぎわういつもの道が、今朝は静まり返っていました▼新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためとして、安倍晋三首相が突如表明した、2日からの「一律休校」によるものです。対象となる児童・生徒は約1300万人。その父母や学校関係者を含めると、影響は計り知れません▼とりわけ、共働きの家庭やひとり親の家庭は深刻です。祖父母や親せきに頼ることができなければ休業せざるを得ず、収入に直結します▼このため、政府は学童保育の開所を都道府県に要請しました。しかし、放課後からの開所を想定していた学童保育で、午前からの受け入れ体制をとることは容易ではありません。さらに、1クラス分を超える人数の児童が長時間、一緒にすごすため、逆に感染リスクが高まります。しかも、安倍政権が設置基準を改悪し、すし詰め状態の学童クラブも少なくありません▼そうした問題を指摘されると、今度は「空き教室の活用」を言い出しました。それなら、何のための「休校」なのか。まさに泥縄式、朝令暮改の典型です。学童保育の受け入れ体制をとった自治体は、はしごを外された形です▼「私が決断した以上、私の責任において、さまざまな課題に万全の対応をとる」。安倍首相は2月29日の記者会見でこう強調しました。しかし、この人の言う「責任」は「無責任」と同義であることを、国民は体験的に知っています。


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