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2020年2月29日(土)

きょうの潮流

 電車の中でつり革につかまらない人たちが目立ちます。近くの薬局では早朝からマスクを買い求める人の列がいまだに絶えません。家にこもるお年寄りも多い▼いつ、どこで、誰から感染するか。手洗いなどの基本的な予防策しか有効な手だてが示されないなか、疑心暗鬼だけがつのります。新型コロナウイルスへの不安は社会全体を覆っています▼そんななか、政府が全国の小中高に週明けから春休みまでの休校を要請しました。後手の対応を批判されてきた安倍首相は「先手」を強調しますが、生活を顧みない唐突なやり方に戸惑いや不信がひろがっています▼共働きや一人親世帯の子は、入試や卒業式は、なぜ一律なのか。保護者や学校、自治体から懸念の声が続々とあがっています。休校の影響で看護師らが出勤できず、診療を制限する病院も。手当てや休業補償などの支援策を同時にやらなくてはならないのに、そこは自己責任、企業任せではあまりに無責任ではないか▼イベント自粛につづく政府の方針は稼ぎや仕事がなくなる当事者にとって死活問題です。どこまで国が負担するのか、説明も検証もないままの措置は場当たり的な姿勢の表れです。子どもの預け先に伴う費用負担を問われた麻生財務相は「つまんないこと聞くねえ」と▼いま政府に求められているのは国民や社会を混乱させず、少しでも安心して過ごせる政策を打ち出すことではないか。責任をもって。それがなければ、社会は縮こまり、不安におびえるばかりです。


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