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2020年2月28日(金)

国会の視点

棚橋氏は予算委員長に値せず

野党の議事妨害 国会の役割放棄

 野党は27日、棚橋泰文衆院予算委員長の解任決議案を衆院に提出しました。野党議員による決議案の賛成討論からは、棚橋氏の許されない行状が改めて浮かびあがりました。

公正・中立侵す

 予算委員会は、内閣が提出する予算案の審議をはじめ、国会の重要な機能である行政監視機能を果たす中心的な委員会です。当然、委員長には、国民の目線に立った公正・中立な姿勢が常に求められます。行政監視の徹底のために特に野党の質問への配慮が重要です。

 ところが棚橋氏は、野党が求めていた、職権乱用が指摘される政府側参考人の招致を一切認めない一方、政府・与党側が求める参考人は毎回採決を強行し、多数で押し切ってきました。

 立民・辻元清美議員に対して安倍晋三首相が「意味のない質問だよ」と議会制民主主義を否定するヤジを飛ばした際には、「聞こえなかった」などとして制止も注意もしませんでした。検察官の定年延長をめぐる立民・山尾志桜里議員の質問に政府側がまともに答弁しなかったことに野党議員が抗議し席をたった際には、「またさぼるのか」との暴言を吐きました。

 その果ての予算案の締めくくり総括質疑の提案(27日)でした。政府・与党が審議の前提となる資料すらまともに示さず、首相を直撃する疑惑の究明も道半ばのもとでの審議打ち切りは暴挙です。

真相究明にふた

 野党議員に対する審議妨害ともいえる委員会運営も目立ちました。

 野党議員の質問に閣僚が答弁に窮しても、これを正そうともせず、質疑時間をいたずらに浪費させました。野党理事が議場で協議を求めてもなかなか応じませんでした。

 13日には同委理事会で、「委員長として協議の必要性を認めた場合、速記(質疑時間の進行)を止めて協議する」など当たり前のことを与野党理事が申し合わせるという異例の事態となりました。こうした申し合わせですら軽んじてきたのが棚橋氏でした。

 新型コロナウイルス感染症対策の抜本的な財政出動に向けた議論が求められています。東京高検検事長の定年延長をめぐる法解釈変更、「桜を見る会」疑惑やカジノ汚職など安倍首相を直撃する問題や疑惑の真相究明が求められています。

 棚橋氏が提案した予算案審議の打ち切りは、こうした国会の役割を放棄するものです。コロナ対策の財政措置を求める議論を断ち切り、疑惑の真相究明にふたをする姿勢と言わざるを得ず、もはや委員長の任には値しません。(山田英明)


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