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2020年2月26日(水)

フェミ科研費裁判提訴1年で集い

表現・学問の自由考える

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(写真)シンポジウムに出席した(左から)堀あきこ、明戸隆浩、志田陽子の各氏=24日、京都市

 ジェンダー・フェミニズムの研究者4人が、日本軍「慰安婦」問題やフェミニズム研究に対して誹謗(ひぼう)中傷を行った杉田水脈(みお)自民党衆院議員の名誉毀損(きそん)を問う「国会議員の科研費介入とフェミニズムバッシングを許さない裁判」(フェミ科研費裁判)の提訴から1年を迎えた24日、京都市の同志社大学でシンポジウム「フェミ科研費裁判から考える『表現の自由』と『学問の自由』」が開かれました。裁判を支援する市民・研究者ら約80人が参加しました。

 上瀧浩子弁護士が裁判の状況を報告し、原告の4人が発言。岡野八代同志社大学教授は、「金学順(キム・ハクスン)さんが元日本軍『慰安婦』であったことを告発して30年、女性国際戦犯法廷から20年。多くの人の努力で女性の人権問題について国際社会で議論する土台ができてきた今日、杉田氏の発言はそれに逆行するもの。私たち一人ひとりの問題として共有していきたい」と語りました。

 シンポジウムでは、明戸隆浩東京大学特任助教が「ヘイトスピーチ解消法後の『表現の(不)自由』」をテーマに報告。「ナショナリズムと歴史否定論が結びついたときに悪質なものとなる場合が多い」と指摘しました。

 志田陽子武蔵野美術大学教授は、昨年のあいちトリエンナーレ問題や元朝日新聞記者・植村隆氏の名誉毀損裁判などを例に挙げ「フェミ科研費裁判も研究者に深刻な不利益がありうることや、助成金など公との関係にもかかわる問題。表現の自由の意義に照らして検討することが必要だ」と問題提起しました。


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