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2020年2月26日(水)

きょうの潮流

 同じ仕事内容なのに男性より賃金が低い―。20代の時に経験した差別が女性参政権を求める生涯をかけた闘争の原点になりました。今年2月で生誕200周年を迎えた米国の活動家スーザン・アンソニーの人生です▼奴隷制廃止論者の家庭で育ち、若い時から社会運動に身を投じました。時は19世紀。女性に参政権はなく“女は政治に口出し無用”とされた時代です。女性が集めた署名は当局に受け付けられないなど嫌がらせにぶつかりました▼「女性自身が議員を選出できるまで完全な平等はありえない」。スーザンは他の活動家とともに参政権を求める運動に取り組み始めます。新聞を発行し、男女平等賃金や8時間労働制なども掲げました▼圧巻は1872年の大統領選です。女性たちと投票所に現れたスーザンは男性らの制止を振り切って1票を投じました。当局が違法行為だと訴えて罰金を命じたものの支払いを拒否。一躍有名になったスーザンは、ここぞとばかりに全米で遊説し運動をさらに広げました▼女性参政権が実現したのは1920年。彼女の死から14年後のことでした。今でも選挙が行われる年には女性たちが敬意を示すためにスーザンの墓を訪れます。「投票したよ」というステッカーを墓石にそっと添えて▼今年は大統領選の年。女性蔑視の言動を繰り返すトランプ大統領をいよいよ退陣させようと女性たちは男性も巻き込んで運動しています。女性参政権実現から100周年の選挙。どんなたたかいが見られるでしょうか。


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