しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2020年2月25日(火)

イラン国会選 6割棄権

立候補制限・デモ弾圧 現体制に不信

写真

(写真)投票箱の横で、投票用紙に候補者の名前を記入する男性=21日、テヘラン(秋山豊撮影)

 【テヘラン=秋山豊】イラン内務省は23日、21日投票の国会議員選挙(一院制、任期4年)の投票率を42・57%と発表しました。首都テヘランは約25%。ロイター通信によると1979年のイスラム革命後、最低です。立候補制限やデモ弾圧などを行った現体制への不信感を示しました。前回2016年の投票率は62%、前々回12年は66%でした。

 国営メディアによると、定数290のうち、米国との対決姿勢を強める強硬派は前回の120議席から大幅に増やし、約200議席を占めることが確実です。

 ロウハニ大統領を支える穏健・改革派は約20議席。約140議席で最大勢力となった前回選挙から大幅後退です。

 最高指導者ハメネイ師は「宗教の義務」と投票を呼びかけたものの、有権者の6割が棄権。ハメネイ師は結果を受け、新型コロナウイルスを念頭に、外国メディアが「病気やウイルス」を持ちだして、「投票を妨げた」などと述べました。

 棄権したタクシー運転手の男性(56)は「候補者を選ぶ自由もない」として、立候補希望者を失格にした体制を批判しました。体制当局は、昨年秋の燃料価格引き上げへの抗議デモを弾圧。1月には、ソレイマニ司令官殺害への報復でウクライナ民間機を誤射・撃墜し、当初それを否認していました。国民は現体制のこうしたやり方に不満を募らせています。

 ある女性(40)は「私は政治を変えたい。その意思を棄権で示した」と話し、「体制が、私たちの声を聞かなければ、人びとの怒りは爆発する」と強調しました。


pageup