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2020年2月22日(土)

きょうの潮流

 私は花粉症なのか、風邪なのか、それとも…。そう心配する声を診療所で耳にしました。せきやくしゃみ、鼻水や微熱、だるさ。共通する症状に不安と混乱が増しています▼市中でひろがり始めた新型肺炎。「マスクをせずにせきをしている人がいる」と地下鉄の乗客が非常用の通報ボタンを押す。こんな過剰な反応も表れています。就活生の合同説明会をはじめ、催しや集会の中止も相次いでいます▼集団感染が起きたクルーズ船から下船した日本人乗客のなかには、しばらく家に帰らないという人も。経済や観光業に与える影響も深刻で、日本への渡航を抑え、注意を呼びかける国が増えています▼こうした動きに拍車をかけているのが、日本政府の後手後手な対応です。乗客2人が亡くなったクルーズ船の対策をふくめ、専門家や海外からも厳しい批判や疑問の声が上がっています。対策本部の会議より地元の行事を優先する閣僚たち。専門家を集めながら3分しか出席しない首相。これで国民の健康と命が守れるのかと▼不安ばかりが募る現状。一刻も早い安全確保や医療体制の確立が求められているのに、そのための予算は不十分。緊張感や危機意識のない政府の姿勢が、ウイルスに身構える社会に暗い影を落としています▼救える命を救う。専門家が指摘するようにいま大事なことは感染拡大と重症化を防ぐことです。それには正確で透明な情報が欠かせません。すぐに情報操作や保身に走る政権の所業が、ここでも不信をよんでいます。


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