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2020年2月20日(木)

感染症対策に厳しい目

首相、会食は長時間

 小泉進次郎環境相が政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の会合を欠席し、自身の後援会の新年会に出席していたことが明らかになるなど、新型コロナウイルスに対する安倍政権のずさんな対応が露呈しています。

 政府の対策本部はこれまでで計11回開かれています。しかし安倍晋三首相の出席時間は毎回ごくわずかです。主要メディアの「首相動静」報道によると、1回あたりの平均は12分程度。前日に国内で初めての死亡者が確認された14日の会合も8分間の出席でした。16日に開かれた専門家会議は、冒頭の3分間だけ出席してそのまま私邸に帰っています。一方で、1月31日には、防衛大学校長や政策研究大学院大学長らと公邸で2時間20分にわたって会食。14日夜には都内のホテルで日経新聞会長らと2時間48分にわたって会食をしています。国民の命に関わる感染症対策より、「お仲間」との親密さを深めるのに精力的です。

 政府の対応で最も批判を集めているのは、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」に対する措置です。18日までに「国内」で確認された感染者は615人ですが、その内542人が同クルーズ船内の感染者です。水際対策として乗客乗員を船内に閉じ込めた結果、かえって集団感染を拡大させているとの指摘が専門家から上がっています。

 この対応には海外メディアからも批判が噴出。ニューヨーク・タイムズは「公衆の衛生に関わる危機について、『こうしてはいけない』と教科書に載る見本だ」とする記事を掲載。ABCニュースは「日本の港で感染の第2の震源地が作り出されている懸念がある」と伝えました。

 多くの国民の厳しい視線を示す結果も出ています。朝日新聞が15、16両日に実施した全国世論調査では、新型コロナウイルスをめぐるこれまでの政府の対応を「評価しない」が50%で、「評価する」34%を上回りました。(中野侃)


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