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2020年2月19日(水)

熱38度でも診察されず

クルーズ船 70代男性乗客

解熱後「陽性」で隔離

 大型クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で新型コロナウイルスの感染者が連日増え続け、542人(18日午後6時現在)になっています。PCR検査で17日に感染が判明した70代の男性が本紙の電話取材に応じました。(丹田智之)


 この男性は17日に下船し、千葉県内の医療機関へ搬送されました。食欲不振が続いていますが、容体は安定しているといいます。

 男性は客室で待機させられていた7日から発熱や嘔吐(おうと)などの症状を訴えていました。各室に配られた体温計で37・5度以上の熱が出た時点で、医務室に連絡するようアナウンスされていたといいます。しかし、すでに船内には体調不良を訴える乗客が多く、医師の診察すら受けられない状況でした。

 「7日夜から8日にかけて38度を超える熱が出たので、医務室やフロントに何度も電話をかけました。ところが電話はすぐに切られ、誰にも対応してもらえなかった」

 男性の妻は厚生労働省にも電話をかけ、薬の提供と全員検査を求めましたが、連絡はありませんでした。

 男性は動揺した様子でこう振り返ります。

 「3~4日で体調が回復したので、19日には下船し帰宅できると思っていました。今ごろになって医療スタッフから『陽性反応が出た』と伝えられたので戸惑っている」

 搬送先の医療機関では陽性反応が出た30人ほどの乗客・乗員が「隔離」されているといいます。食事は仕出し弁当が提供され、シャワーは指定された時間に1人ずつ使用しています。

 隔離が続くことになり、男性は不安を募らせています。

 「この先のことは何も知らされていません。いつまで隔離生活が続くのか…。他の乗客も対応が遅すぎると話しています。こんなことになるとは思わなかった」


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