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2020年2月19日(水)

主張

検事長の定年延長

法治国家否定どこまで続ける

 「これで法治国家か」。東京高検の黒川弘務検事長の定年延長問題をめぐり、安倍晋三内閣への批判が相次いでいます。検事長を含む検察官の定年延長を「許されない」としてきた従来の政府見解を、「許される」という解釈に百八十度変更したためです。国会にも諮らず独断で新たな立法を行うのに等しい行為に他なりません。「法の支配」をないがしろにする安倍内閣の本質を改めて示す大問題です。

解釈変え検察私物化

 安倍内閣は1月31日、当時62歳だった黒川氏の定年を半年間延長する異例の人事を閣議決定しました。検察庁法は検察官の定年を最高検トップの検事総長は65歳、その他の検察官は63歳と定めています。定年延長の規定はありません。実際、検察官の定年延長は過去に一度も例がありませんでした。

 定年延長の閣議決定は、黒川氏が今月8日に63歳となるのを目前に駆け込みで行われました。国会内外で閣議決定は違法だとの批判が沸き上がるとともに、首相官邸の息がかかっているとされる黒川氏を今年8月で退官予定の現職の代わりに検事総長に据えようという政治介入、検察私物化の疑いが指摘されています。

 森雅子法相は今回の閣議決定について、1年未満の定年延長を認める国家公務員法(国公法)を根拠に正当化しようとしました。ところが、国公法の改定で定年延長が盛り込まれた1981年の国会審議で、政府自身が「検察官と大学教官については、現在すでに定年が定められている。今回の(改定)法案では、別に法律で定められている者を除き、ということになっているので、今回の定年制は適用されない」(81年4月28日、衆院内閣委員会、人事院の斧誠之助事務総局任用局長=当時)と答弁していたことが判明しました。

 森法相は「その議事録の詳細は知らない」と言いながら、「(国公法の改定時に)勤務延長の制度が検察官にも適用されるようになったと理解している」と答えていました。(今月10日、衆院予算委)

 これは、あまりにも無理な答弁です。人事院は12日の衆院予算委で「国家公務員法に定年制を導入した際は、昭和56年(81年)4月28日の答弁の通り、検察官については国家公務員法の勤務延長を含む定年制は、検察庁法により適用除外されていると理解していた」と森法相と正反対の答弁をし、「現在までも、特にそれについて議論はなかったので、同じ解釈を引き継いでいる」(松尾恵美子給与局長)と明言しました。

 説明不能に追い込まれた安倍首相は13日の衆院本会議で、81年当時の政府見解を認めた上で、「今般、検察官の勤務延長については、国家公務員法の規定が適用されると解釈することとした」と答弁しました。森法相も17日の衆院予算委で「(解釈の変更を)最終的に政府内で是としたのは本年1月」と初めて明らかにしました。黒川氏の定年延長のために恣意(しい)的な解釈変更を行ったことは明白です。

国会の立法権を侵害

 政府が立法時に示した法解釈を自分の都合に合わせて勝手に変えることは、国会の立法権、さらには国民主権を侵害するものです。安倍政権の下で続発する疑惑に捜査の手が伸びないよう検察の人事に介入した疑いがいっそう深まっています。徹底追及が必要です。


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