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2020年2月8日(土)

主張

ギグワークの急増

究極の「使い捨て労働」根絶を

 安倍晋三政権が進める「雇用によらない働き方」の名の下で、「権利ゼロ」の労働が横行している―。日本共産党の笠井亮衆院議員は4日の予算委員会の基本的質疑で、飲食品の配達代行サービス「ウーバーイーツ」の労働問題を取り上げ、政府の対応をただしました。「人間を使い捨てる働かせ方」の異常な実態を具体的に示し是正を求めた笠井氏の質問に、首相は「いいとは思わない」と問題を認めました。非人間的な労働の一掃は待ったなしです。安倍政権の雇用破壊をストップさせ、誰もが人間らしく働ける社会へ転換していくことが重要です。

交通事故でけがをしても

 ウーバーイーツは料理の配達を仲介するサービスでアメリカ企業が運営しています。利用者はスマートフォンのアプリを使って注文し、配達員はアプリの表示に従い飲食店から料理を受け取り、自転車やバイクなどで注文した人に届けます。ネットを介して単発・短期の仕事を請け負うウーバーの配達員のような労働は「ギグワーク」と呼ばれ、フリーランスなど「雇用によらない働き方」の中で近年、都市部で増加している形態です。

 深刻な問題になっているのは、配達員が「労働者」でなく「個人事業者」と扱われるため、交通事故に遭ってもまともな補償がないなど無権利状態にあることです。

 笠井氏は、バイクで配達中に事故に遭ったにもかかわらず、家計を支えるため、けがが完治しないうちに無理して働かざるをえない40代の配達員の過酷なケースを示し、実態を告発しました。

 重大なのは、安倍政権がこの働き方に歯止めをかけるどころか、推奨の旗を振っていることです。首相が議長を務める「未来投資会議」の昨年の中間報告は「組織の中に閉じ込められ固定されている人の解放」という見出しを立て「雇用によらない働き方」「多様な働き方」を“バラ色”に描き出しています。笠井氏の追及に、西村康稔・経済再生担当相らは「健全に発展させる」などとごまかすばかりで深刻さを認めようとしません。

 笠井氏は、労災保険の適用外とされていることに、現場の配達員から「命綱をつけないでビルの窓ふきをやっているようだ」と悲鳴が上がっていること、最低賃金も適用されず、ウーバーから報酬切り下げが一方的にメールで通知されていること、配達員が働き方や報酬の改善を求めて組合をつくり団体交渉を求めても拒否していることなどを一つ一つ示して、「これが健全なやり方ですか」と厳しく政府に迫りました。首相も「そうした雇用に似た形が広がっていくことは、決していいとは思っていない」と表明せざるをえませんでした。究極の「使い捨て労働」の放置はもはや許されません。

働き手保護する法制こそ

 笠井氏は、働く人を「使い捨て」ない仕組みづくりが世界で広がっていることを紹介しました。フランスでは、ウーバーのようなやり方に対し、働き手保護の社会的責任を義務付ける法律が制定されました。ドイツでも技術革新を良質な雇用に結びつける議論が行われています。ウーバー本社のあるアメリカのカリフォルニア州では最低賃金の保障などを求める州法が施行されました。人間らしい労働に反するやり方をなくすことは、日本の政治の大きな責任です。


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