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2020年1月24日(金)

きょうの潮流

 幸せとは何だろう。個人や文化、環境によって思い描くものは違う。お金に重きをおく人もいれば、健康や家庭に価値を感じる人も。それが何であれ、選択の自由があり、有意義な人生を送れる国▼世界幸福度ランキングで2年連続1位の北欧フィンランド。長く暮らし、同国大使館の広報に携わる堀内都喜子さんは、自分らしく生きていける国だと感じています。人生のさまざまな場面で選択肢が狭まったり、窮屈に感じたりすることが少ないと▼たとえば働き方。コーヒー休憩が法で定められ、夕方4時を過ぎれば帰宅。夏休みは1カ月。肩書や学歴、年齢や性別にこだわらない職場。ゆとりある労働は仕事への意欲を高め、1人当たりのGDPは日本の1・25倍にも▼どんな環境や地域で生まれ育っても、教育や福祉を受ける機会は平等であって最低限の生活が保障されている。そんな安心感やバランスのとれたライフスタイルが、堀内さんの著書『フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか』から伝わってきます▼翻って日本はどうか。長時間で過密な労働、学ぶことや結婚、出産、子育ての難しさ、社会にひろがる貧困や性差―。そのほとんどが政治によってもたらされています▼貧しい家庭に生まれ母親と同性パートナーに育てられたフィンランドの女性首相、34歳のサンナ・マリンさんは、こんなメッセージを。「社会の強さとは、最も裕福な人たちの富ではなく、最も弱い立場の市民がどう生活できるかによってはかられる」


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