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2020年1月18日(土)

きょうの潮流

 「待望の雨」に少し胸をなでおろしています。森林火災で深刻な被害を広げているオーストラリア。すでに焼失面積は韓国の国土に相当し、死者は29人、コアラなど野生動物の被害も10億匹余に及びます。手の付けられない火の手。地球の悲鳴にも聞こえます▼大きな要因は気候変動です。温暖化で植物が乾燥し、猛烈な熱波と強風が追い打ちをかける。その姿が「地球の未来を予言している」と警告する科学者もいます▼火災の煙で大気汚染が世界最悪となった第2の都市メルボルン。テニスの全豪オープンの開催が危ぶまれています。始まっている予選では選手がしばしばせき込んで中断し、大会中止・延期の声が▼“史上最高のテニス選手”と評されるロジャー・フェデラー選手(38)の発言に目が留まりました。自身のスポンサーの金融大手クレディ・スイスが、化石燃料産業に莫大(ばくだい)な融資をしていると問題視され、環境活動家のグレタ・トゥンベリさんも批判する投稿に同調していました▼同選手はこれに真摯(しんし)に応えます。「私は気候変動の影響と脅威を深刻に受け止めています。若い活動家のおかげで自らの振る舞いを精査する機会ができたことに感謝しています。スポンサーと話し合うことを約束します」。「アスリートの責任」として▼近年、雪不足でスキー競技の大会中止が相次ぎ、今夏の東京五輪は酷暑による選手の健康が懸念されます。スポーツ活動の存立を脅かす地球温暖化。すでに“コートサイド”の問題ではありません。


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