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2020年1月9日(木)

主張

2020年の憲法

安倍改憲の企て打ち砕く年に

 安倍晋三首相が年頭から改憲発言を繰り返しています。年頭所感では「未来をしっかりと見据えながら、この国のかたちに関わる大きな改革を進めていく。その先にあるのが憲法改正」と表明し、6日の年頭にあたっての記者会見でも、通常国会で活発に議論し「憲法改正原案の策定を加速させたい」と強調しました。7日の自民党の仕事始めでも、改憲は「自民党の歴史的使命」と檄(げき)を飛ばしました。憲法9条に自衛隊を書き込む改憲に向けた首相の執念は全く異常です。安倍改憲を許さず、憲法を守り生かす市民と野党の共同を強めることが必要です。

歴史逆行の改憲策動

 安倍首相は17年5月の憲法記念日に、改定した憲法を20年に施行すると明言しました。しかし昨年の参院選では、改憲勢力が改憲案の国会発議に必要な3分の2の議席を得られず、自民党改憲案の国会提示も前国会まで4国会連続でできませんでした。それにもかかわらず安倍首相は、昨年末の臨時国会閉幕直後の記者会見でも21年9月の自民党総裁任期中の改憲を「必ずや私の手で成し遂げたい」と発言するなど、改憲の企てをあきらめようとしません。首相がことあるごとに改憲発言を行うのは、改憲スケジュールが思惑通り進んでいないことへの焦りと強い執念の表れです。

 首相が改憲の旗を振り続け、国会の憲法審査会での議論を求めるのは、憲法の尊重擁護義務(憲法99条)に反するものであり、「三権分立」の原則もあからさまに踏みにじるものです。何より主権者である国民が望んでもいないのに改憲を強行しようというのは、憲法を私物化する立憲主義破壊の暴走そのものです。

 しかも安倍首相が目指す改憲は、憲法の大原則である戦力放棄・交戦権否認の規定を空文化・死文化し、日本を「戦争する国」に引き戻す危険なたくらみです。今年は戦後75年の節目の年です。日本国民とアジア諸国民に甚大な被害を与えた悲惨な戦争への反省のうえに「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意」(憲法前文)して制定された憲法を破壊する年にすることは、断じて許されません。

 首相が狙う自衛隊を9条に明記する改憲には、昨年末のマスメディアの世論調査でも過半数の国民が「反対」しています。自民党の幹事長などを務めた古賀誠氏は著書『憲法九条は世界遺産』の中で、9条について「これはどんなことがあっても次の世代につないでいかねばならない」と力説しています。2歳の時に父親が戦死し、「戦争遺族」として苦労を重ねた古賀氏の言葉には、重いものがあります。古賀氏の思いは多くの国民にとっても共通のものです。歴史逆行の安倍改憲を阻止することが重要です。

新しい緊急署名広げて

 年明けからは、安倍首相が狙う9条改憲の国会発議を阻止しようと、幅広い市民・団体が参加する「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が呼び掛けた、新しい請願署名「安倍9条改憲NO!改憲発議に反対する全国緊急署名」が始まりました。

 全国津々浦々で、新しい署名を広げに広げ、世論と運動で安倍政権を包囲して、安倍改憲をやめさせましょう。


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