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2020年1月1日(水)

韓国 捜査機関を新設

高官不正対象 検察改革の一環

 韓国国会は30日、政府高官らの不正を捜査する新たな独立機関「高位公職者犯罪捜査庁」設置法案を可決しました。巨大な権力を持つ検察から、政治家や政府高官らの捜査権と一部起訴権を捜査庁に移行します。文在寅(ムン・ジェイン)大統領が公約に掲げてきた検察改革の一環で、刑事訴訟法が1954年に制定されて以来、検察が起訴権を独占してきた体制に風穴を開けることになりました。

 捜査庁の捜査対象は大統領をはじめ国会議員、最高裁長官、最高裁判事、憲法裁判所長、首相、判事、検事、高位の警察官などです。このうち警察官、検事、判事については捜査庁が直接起訴し、公判を維持することができます。警察や検察がこれに該当する事件の疑いを把握した場合は、捜査庁に通知します。

 市民の間では、検察による恣意(しい)的な政治捜査への不信が根強くあり、この間、検察改革を求める集会が数十万人規模で開かれていました。

 現地メディアによると大統領府は同日、書面で歓迎の意を表明。法案の可決は国民が「検察の恣意的で脅威的な権限行使に対し、けん制と均衡が必要だと判断したからだ」と指摘。「捜査庁の時代的使命を果たすため、政府はすべての努力と誠意を惜しまない」と述べました。

 法案をめぐっては、捜査庁の設置に反対を掲げた最大野党の自由韓国党が採決を欠席。他の与野党の賛成多数で国会を通過しました。

 (栗原千鶴)


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