2019年12月31日(火)
日米が核・化学対処訓練
異例、国内で大規模に
|
1日から13日まで国内5カ所で実施された米海兵隊と陸上自衛隊の共同実動訓練「フォレストライトMA」で、化学・生物・放射性物質・核(CBRN)対処訓練が行われていたことが分かりました。国内での大規模共同訓練で、こうした訓練の実施は異例です。
米インド太平洋軍は、饗庭野(あいばの)演習場(滋賀県高島市)で防護マスクをつけた海兵隊、陸自隊員の写真を公開。「第3海兵師団第4海兵連隊に配属されている第25連隊第1大隊と、陸自第8普通科連隊は12月5日、CBRN除染訓練を行った」と説明しています。神奈川県平和委員会の菅沼幹夫事務局次長が写真を確認しましたが、現在は削除されています。
陸自は2007年度、CBRN対処を専門とする中央武器防護隊を創設し、全国の師団・旅団に武器防護隊を配置。11年の東日本大震災に伴う福島原発事故を契機に放射能事故対処を強めています。
ただ、米軍は別の意図を持っている可能性があります。米統合参謀本部は18年10月29日付で、「化学、生物、放射線、核環境下での作戦」と題した教書を公表。「CBRN環境での作戦実行に関する重点的な計画」の一つとして、「共同軍と受け入れ国、他の友軍とCBRN環境で活動するための協力的な政策、手順、ネットワークの確立」をあげています。
具体的な事例として、化学兵器の使用が疑われた2003年のイラク戦争で、多国籍軍がCBRN訓練を強化したことなどを紹介。米軍主導の海外での戦争に動員した際、核戦争や化学戦などでの共同対処を想定している可能性もあります。