2019年12月30日(月)
きょうの潮流
「なぜ軍部隊はバーニー氏を支持するのか」。1996年まで米陸軍特殊部隊に所属していたスタン・ゴフ氏がブログでこんな見出しの記事を載せています(12月20日付)▼バーニー・サンダース氏は、来年の米大統領選に向け民主党からの立候補を目指す進歩派。米誌フォーリン・ポリシーは、同氏が米兵の中で最も献金を集めていると伝えています(11月8日電子版)▼草の根からの小口献金重視の同氏が今年集めた額は18万1152ドル(約2千万円、9月30日まで)。現職トランプ氏の6万2821ドルを引き離しています。民主党で支持率上位のバイデン氏は3万4481ドルです▼ゴフ氏は原因を分析します。兵士たちが入隊を決めた背景の一つに家庭の貧困がある。サンダース氏は軍事費削減を掲げているが、兵士たちは浪費や不正がどれだけ軍の中で横行しているか知っている。いつまでも続く海外展開が命、健康、財政、時間の点で巨大な無駄だと兵士たちは分かっており、サンダース氏が公約する海外駐留縮小への共感がある―などです▼2001年の同時多発テロ後、アフガニスタン、イラク、シリアなどで戦争を続けてきた米国。戦死者は7千人を超えました。サンダース氏への支持の強さは、終わらぬ戦争で負った傷の深さの反映でもあります▼安倍政権は中東への自衛隊派兵を決めました。来年度予算案の軍事費も過去最大。首相はトランプ氏の機嫌をとるのに熱心でも、米国社会の奥深くで進む変化には目が向かないようです。








